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猫と人の境界線ー那覇の街角切ないストーリー
トップ画は、先月行った沖縄で一番自分の無力さに打ちひしがれた瞬間を撮ったものです。
鉄扉の向こうに猫。
心なしか猫も悲しげに見えます。
私も悲しかった!
那覇の常宿にいる猫のビリーです。
この時、初めて朝の散歩に誘ってくれました。
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![](https://assets.st-note.com/img/1723878768469-E6PvIY4Fv8.jpg?width=1200)
歩き始めてすぐにビリーは、ある家の鉄扉の隙間をスルリと抜けて入って行きました。
いやぁ……さすがに人の家はやばいでしょう。
「住居侵入罪」という言葉が頭をよぎります。
何が辛いって
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待ってるんですよ、私を。
鉄扉越しに佇む猫と人間。
私達を阻んでいたのは法律と常識。
そして「そっちに行けないから帰って来て」とビリーに声をかける機転がなかった私の頭。
周りからどう見られようとビリーが戻って来るのを待つ勇気。
私は人の家の前で佇むことに耐えきれず、そこから別行動してしまったんです。
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今まで通ったことのなかった道を歩くことで淋しさを紛らせました。
付け加えると、この時点では“ビリーに撒かれた”と思っていました。
ひとしきり歩いた後、宿に戻ると
![](https://assets.st-note.com/img/1723879756331-Cx5ZaYQdof.jpg?width=1200)
ビリーは先に戻っていて、仏頂面で私を待っていました。
𓃠𓃠𓃠𓃠𓃠𓃠𓃠𓃠𓃠𓃠𓃠𓃠𓃠𓃠𓃠𓃠𓃠𓃠𓃠𓃠
旅から戻って、友だちにこの話をしてトップ画の写真を見せると「何で来ないのよ〜」って思ってたのかもよ、とひと言。
私は笑顔のまま固まってしまった。
そんな捉え方があったのか!!
確かに、ビリーが私を撒いたのなら構わずスタスタと歩いていったはず。
しばらくじっと座ってたということは……待ってたのか!!
「猫は人んち入っちゃダメとか思わないし、知らないもんね」と極めつけのひと言。
確かにそうです。
鉄扉は人の家と道路を隔てるもの、そして人んち勝手に入っちゃダメは、人間が作ったルールです。
猫も時折、他猫の縄張りに入り込んで、ケガしたりケンカになっていますが。
それは猫の世界のルールです。
猫の気持ちがわかる人になりたい。
せっかく誘ってくれたお散歩だったのにと切なくなりました。
次にビリーと散歩できたら、小声で話しかけてみようと思いました。
変な人って周りに思われてもいいです。
ビリーと一緒に歩けるなら、そっちの方がうれしいもの。
ビリーともっと通じ合えるようになりたいです。
猫と人を分けるもの
法律
常識