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なぜ私?ー沖縄県民が千葉県民に沖縄の事を聞いてくる

バスって現金だけ?
ーオキカで乗れるよ

オキカって何?
ー沖縄限定のSuicaみたいなやつ。バスとかゆいレールに乗れるよ

砂辺(北谷町)に行きたいんだけど、何番のバス?
ーあなたの家からだと28番か120番だね

とまりんから日帰りできる島のオススメは?
ー何をしたいかによるけど、日帰りできるのは渡嘉敷島と座間味島、阿嘉島、慶留間島かな。
那覇発の日帰りツアーもあるよ。

以上は私が沖縄県民の友人から質問されたこと。

「千葉の人に聞くのも何だけどさ……」という前置きで、友人達はあれこれと沖縄について質問する。
前置きさえないこともある。

もちろんネットで調べれば同じ回答に辿り着けるのだが、沖縄県民(私の友人だけなのか)は人から直接聞いて、情報だけでなく、評判等も含めて知りたがる。
バスに至ってはバス会社を全く信頼しておらず、知ってる人から生きた情報を聞かないと安心しない。

沖縄県民(私の友人限定か?)はググレーヌ率が高い。

※ググレーヌわからないことをGoogleの検索エンジンで調べることを指す「ググる」の派生語。ググらずに人に聞く人のことを「ググることができない」→「ググれぬ」と表現し、「れーぬ」をつけて聞こえよくしている。
私は「モモウメ」という番組で知ったが、果たしてこの言葉がどれ程、世に認知されているのかは不明。

〇〇が言ってた、このセリフがネット情報よりも信頼される。

確かに、公共交通機関情報はともかく、観光県沖縄は旅情報が膨大すぎる。
そのため、県民の求めている情報に辿り着き難い気の毒な側面はある。

調べるより聞いたほうが早いよね。

沖縄で旅ばかりしている千葉県民(私)から観光情報を仕入れる方が効率いい。
友人が求めているものや、好みを理解した返事する、という点でも重宝されている。

大概最後に「ありがとう。沖縄の人より沖縄に詳しいね」とほめられる。

そのおだて文句に嬉々として、いつも質問されるのを待ちわびている。

では、私が詳しくない沖縄の話はないのか?
いやいや、たくさんある。
1、仏壇継承の話
2、昔の話(特に風習)
3、方言の話

1、仏壇継承については現実問題で揉めていたり、苦労している友人が多く笑い事ではないのだが、みんながおもしろおかしく話すものだから、いまや居酒屋話のメイントピックだ。
長男が継がなけれはならない等のしきたりが多く、口を出す人も多い。
だから揉めるのだ。

2、“童名(わらびな)”といって、子どもの頃だけ呼ばれる名前があったそうだ。
子どもはまだ幼く、無垢で他所から呪をかけられやすいため、本当の名前を隠すためなのだそう。(諸説ある、のかも)
※呪をかける時、本名が必要ならしい
こういった私の生まれ育った場所にはなかった風習は友人達が断然詳しい。

3、友人達は50代の人が多い。私より3歳〜10歳年上の計算になる。

この世代の人達は祖父母や曾祖父母に育てられたケースが多く、方言を幼少期に聞いている。
大人になった今も、話せないまでも、方言を「聞いたらわかる」世代だ。

日常で「何て言ってるの?」という標準語離れした会話はでてこないものの、仲間内(育ったエリアが同じだと特に)の会話がヒートアップしてくると方言が飛び交う。

途中でハッとして「〇〇って意味わかる?」と輪に入れてくれるのだが大抵わからないため「わからないけど、聞いてて勉強になるから話を続けて」と答えている。
「あんたでも知らないことあるんだねぇ♪」と喜び、得意気に意味を教えてくれる。

嘘ではなく、目の前で繰り広げられるうちなー口(沖縄方言)の世界は未知で聞いていておもしろい。
教えてもらったり、聞き取れた単語はさり気なくメモしておく。

宿に戻って更に調べることもある。
この時間がまた楽しい。

そして後日、いかにも前から使ってました!とばかりに会話に方言を織り交ぜると
「〇〇って言葉知ってるさー、さすがだね」
と、盛り上がってくれることもあれば
「使い方は合ってるけど、発音がちがう」
と、言い直しをさせられることもある。

持ちつ持たれつ。
沖縄県民と千葉県民の交流はwinwinの関係が続いているのだ。




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