ここでは誰もが自由なのよ! マカピーの日々 ♯1548
マカピーです。
ヘアサロンのジョシュが教えてくれました。
マカピーとハナさんは治療に必要な補液パックを買いに、町の薬局に来たのですが、希望する500mlサイズが無く1,000mlサイズしかも3つで売り切れてしまいました。
こうした薬剤は専門の薬局でないと買えないのですが、そもそも市場が小さいのでいつも品薄気味なのでした。
それにしても暑い午後です。
うだるような暑さの中ヘルメットを抱えて、低い屋根の市場を行くと「髪の毛を切った方がいいわ」とハナさんが突然言ってきました。
「もう少ししてからでいいよ」
「暑いからエアコンの効いてる店にしましょう」
一つのお店に入ったのですが、最初からマカピーはこの店に違和感を覚えました。
すぐ終わるからというので椅子に座って汗が引くのを待っていたのですが、前のお客さん(女性)が終わりそうで終わらない。
そしてそこの主人らしいオッサンの態度が同僚の女性に対しても、傲慢なところがあるのが分かりました。
マカピーはハナさんに「待たされそうだから、店を代わろう」と提案していたのですが、遂にマカピーの番が回ってきました。
ヤレヤレ
鏡の前に座りケープを巻かれて聞かれたのは「トリムですか?それともカット?」
(そんなの見れば分かるでしょうに!とマカピーは心で思いました)
マカピーの髪のボリューム感はなくなり「耳に髪がかからないように・・・」と指でさしました。
それでもオッサンは「ですからトリムですか、カットですか?」
「ボクもあなたの言っている意味が分からないんですけど・・・」
彼はしょうがないなあと言った感じでスマホを出してその違いを説明しようとし始めたのでした。
もう我慢が出来ない!
「辞めた!」
椅子から立ち上がり、ケープを外して「ハナさん、ボクはこの店は嫌だ」と自分のヘルメットを持って店から出てしましました。
後からハナさんが追いかけてきました。
「ほら、ハナさんの友達のところがあったでしょう、あそこへ行こう」
「ああ、ジョシュのところね」
ところが迷路のような市場の中で道に迷って幾度も角を曲がってようやくジョシュの店にたどりつきました。
もともと彼女はハリー叔父と同じファミリーでハナさんの親戚でもありましたが結婚してファミリー名が変わっています。
そちらはエアコンもない「普通」のヘアサロンです。
「あら、久しぶりね!元気?」
「お陰様で(アリハンドゥリラ)。今日はマカピーの髪を切ってほしいの」
「いいわよ。今日は暑いせいかお客が来ないから閉じようとしていたところなのよ」
彼女はハナさんとイロカノ語まじりのタガログ語のマシンガン会話をしながらもマカピーにケープを巻いてさっさと電気バリカンで髪を切って行きます。
時々鏡でバランスを見ながらハサミを入れて行きますが、一度として「どんなスタイルにする?」とは聞いてきませんでした。
マカピーくらいの年齢の男性が、急にモヒカンやリーゼントにするわけないのです。
髪の毛の伸び具合から、どのくらい刈り込めばいいのかなんて一目でわかるのがプロの理髪師でしょう!
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