「いいからかんべ」な性格 マカピーな日々#0297
マカピーです。
マカピーが育った群馬には「上州弁」があります。一般的に北関東3県と一緒くたにされがちですが、実際にはそれぞれ言葉訛りはかなり違うと思っています。
群馬はモノトーンというか「平たい発音」です。
かつてマカピーはNHKのニュースやJRの社内案内にさえも「地元の人間でない!」と違和感を覚えたものでした。
平たい発音だとは栃木県も茨城県の方もそういってますが、「・・・だっぺよ」というふうに、語尾が上がる特徴があるように思います。
・・・・と、一部関係者のみ盛り上がりを見せる「ケンミンショー」的なお話になりそうなので本題に入ります。
さて、
「いいからかんべ」です。
これは「いい加減なヤツ」、「口から出まかせ」という意味ですが、おそらく「上州弁」の絶滅危惧名詞になりつつあるかもしれませんね。
マカピーも先日散歩中にフッと思い出したくらいですから。
義母は故郷の会津若松から川崎に出てきて、同郷の義父と一緒になり社宅に住むのですが、毎年夏になると子供を連れて実家に滞在したそうです。
会津に帰省するには上野駅から東北本線で郡山、そこから磐越西線で会津若松に行くパターンだったそうです。
義母はマカピーに「私の会津は上野から始まるのよ」と言うのでした。
マカピーは何となく石川啄木的に「訛り懐かし停車場」である上野駅の事なのかな?と考えた程度でその意味なのかよく分かりませんでした。
マカピーの場合、群馬に帰ると言っても本数の多い高崎線から上越線に乗り換えてすぐだったから通勤に毛の生えたような距離だったので遠距離の故郷を持つ人の気持ちが良くわかってなかったんです。
現在は新幹線を利用して短時間に移動が可能ですが彼女が20代のころは相当時間がかかったのでしょう、「帰省旅行」の名にふさわしいものだったに違いありません。
川崎から会津若松の先にある実家ちかくの駅までは300km以上あります。
現在の特急列車を利用しないと6時間もかかるのですから、当時はもっと時間を要したでしょう。
更に義母たちのように乳飲み子をかかえての帰省も大変だったろうと想像できます。
そして東北本線の列車の中には東北地方各地の言葉がありホッとする気がしたそうです。
さらに近くで自分と同じ訛りを聞くといっぺんに故郷の会津磐梯山が目に浮かんだのだそうです。
ああ、そういう事か。
それが「上野から始まるふるさと」なんです。
そこへ行くとマカピーの奥さんは生まれも育ちも川崎の都会っ子ですから、山には興味なくマカピーと義母が「山が見えるとホッとするね」などと話していると
「二人ともふるさとの山が好きなのね?私、全然興味ないけど」
などとのたまうのでした。
彼女の故郷は夏休みに訪ねる会津若松ではなくあくまでも都会の川崎だったんです。
一度川崎駅から彼女がかつて住んでいた界隈を案内してもらったことが有りました。
群馬とは違いギッシリと家が立ち並ぶ街で、彼女が育ったころと変わらないという事でした。
そこで彼女はフッとマカピーにこう言ったのでした。
「ここに住んでいる頃に学校であなたに会っていたら、私きっとあなたの事をいじめていたと思う」
「ええ?どうして?」
「なんで私こんな人と結婚したのか、いまだに分からないのよ!」
「おそらく、ボーイフレンドにはなってなかっただろうなあ」
「でしょう!? 川崎時代に会っていればこんなにいい加減な人と付きあう事は無かったはずよ!」
「それって、いいからかんべっていうんだ」
「なんですって?」
「・・・あ、いや、何でもない」
「あのさ、訳の分からないこと言わないで!」
「ゴメン」
マカピーでした。
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