予言された数字・・・マカピーな日々#0919
マカピーです。ボルネオ島北部マレーシア国サバ州にいまーす。
ハナさんに起きた話を聞いて不思議な気がしました。
彼女は以前、友達と高名なイマーム(イスラーム指導者)のいるマスジッド(モスク)を訪ねたのだそうです。
人気のない午後の事で、敷地内でイマームの所在を聞こうにも誰もいません。道路沿いで掃除をする老人に尋ねる事にしました。
ハナ:「このマスジッドのイマームに会いたいのですが、どこに行けば会えますか?」
老人:「彼に会ってどうするんじゃ?」
ハナ:「噂に彼の予言はとてもよく当たると聞いたもので」
老人はそれを聞くと、箒を持ってマスジッドの中に彼らを招き入れました。
なんとその老人がイマームだったのです。
もちろんの事、「そなたには吉凶が現れている!」などと言うような話をしたのではないそうですが、いろいろな話をしていて別れ際にハナさんはイマームから注意を受けたんです。
イマーム:「数字が重なる日に注意しなさい。それでも災難に見舞われたら神をたたえなさい」
それから数年たち、彼女はそのことをすっかり忘れて4WD車を運転していました。
明け方の事で、家に帰る途中で後部座席には親戚の若者三人が乗っていました。
すると、突然前輪がパンクして車のハンドルを取られたのです。
高速走行していた車はバランスを失い、道路中央で4回転してようやく止まりました。
ハナさんは思わず「アッラーアクバル(神は偉大なり)」を三唱したそうです。
気が付いてみるとハンドルを握っていた自分は何ともなさそうですが、後部座席でうめき声がします。
医者としての経験から、3人がかなりの重傷を負っているのが分かりました。
早く助け出さないと、漏れだしたガソリンに引火したら大変です。
彼女は割れたフロントガラスから這い出て、駆け付けた他の車のドライバーと一緒にけが人を引きずり出して、ホッとして車を見ると先ほどまで新車だった自分の車は見るも無残ににクシャクシャでした。
直ぐに近くの病院に行くのですが、彼女自身が医者でもあるから他の医療スタッフとけが人の処理をすると、病院に警察が来て事情徴収がありました。
警官:「だれが運転していたんですか?」
ハナ:「ワタシです」
警官:「ドク(医者なので)運転していた誰かをかばっているんですね。本当は誰なんですか?」
ハナ:「本当にワタシなんです」
警官:「あの車を見たでしょう。大破してクシャクシャでした。あれを運転していた人も怪我なしでいる事はできません」
ハナ:「だから、本当にワタシが運転していたんです。気が付いたらワタシだけ怪我一つせずにこうしているんです。不思議ですけど」
警官は調書を記入しながらも頭を振り振りとても信じられないようでした。
ハナ:「ところで、今日は何日でしたっけ?」
警官:「5年の5月5日ですが、何か?」
ハナさんはそれを聞いて震え出したのでした。
イマームが言った数字の重なる日がまさしく今日だったのです。
しかも自分は回転する車の中で神をたたえる事でかすり傷さえ負わなかったのです。
出張からの帰り道で、ハナさんはユスフさんに声をかけました。
ハナ:「ユスフ、ここよ。私はここで事故ったの!」
ユスフ:「何があったんですか?」
ハナ:「タイヤがバーストして横転事故を起こしたのよ」
マカピー:「助かってよかったね」
ハナ:「その数年前にイマームから気を付けるように言われていたんだけど、すっかり忘れててしまってたのよ。それでも事故を起こした車で回転しながらも偶然に3回神をたたえたら回転がストップしたのよ」
ユスフ:「へー、すごい話だね」
ハナ:「ワタシだって、いまだに思い出すけど事故に遭っても怪我一つしなかった自分が信じられないわよ。」
マカピーでした。
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