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旅立ちの朝 マカピーの日々 ♯1601

割引あり

マカピーです。

夜明け前にハリー叔父宅を後にしてアギナルドのフローレンスのガソリンスタンドに向かいました。

バランガイ・キャプテン(村長)の宣告でハリー叔父宅での患者を診ることを禁じられ、それでも継続した際は警察が介入する事になると警告を受けたからです。

今日は月曜日ですから、かなりの患者数が予想されましたが、ハナさんが家にいれば患者を受け入れた形となって、こちらを見張っているフレディのスマホ写真の餌食になってしまいます。

いちいち患者さんに説明している時間がありません。

そこで我々が不在で患者達が仕方なく帰っていった形にしないと、妙なスクープ写真が村組織に報告されかねません。

朝4時半頃前夜に準備しておいた荷物を車に詰め込んでライトの光に浮かぶ農道を幹線道路に出たのは5時になっていました。

下手をすると5時半には1番目の患者さんが来てしまうので、かろうじて鉢合わせを避けられました。

ヤレヤレ

実はハリー叔父には今回の早朝脱出について説明してありませんでした。

早朝の靄にけむるイフガオのトウモロコシ畑

一つに彼を操っているフレディの存在があるからで、しかも彼自身が事の重要さを理解していないからです。

ふたつ目には彼自身が我々に頼り過ぎる様になってしまったからで、自ら活動をするように促す必要があるからです。

マカピーの持って来た理学療法器具のブロアーで毎日(正しくは3日やって1日休み)を欠かさずやっていることから、他の患者さんから比べても圧倒的優位なハリー叔父です。

ところが叔父は歩ける様になっているのに、全く歩行訓練をしないで車椅子生活に甘んじているのでした。

マカピーもハナさも歩くよう勧めるのですが続きません。

1ヶ月以上も前にピョコピョコしながら麻痺している左脚を引きずって歩ける様になったのでみんなが喜んで励ましたのです。

「直ぐに杖だけで歩ける様になるね!」

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