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医者だって人間だものね マカピーの日々 ♯1500
マカピーです。
マカピーが関わった清子さん(仮名)という女医さんを思い出したのは、マレーシアのサバ州で出会ったハナさんが小児科医であったからでした。
ハナさんは先日のラン妻の出産で新生児を取り上げその後の処置も見事でマカピーから見ても頼もしい限りでした。
どうやら、その医者モードになると集中するのがハナさんです。
というか、そうでなければ命を扱う医師の仕事は出来ないでしょうからね。
ハナさんの場合レストランやるのより、本当は医者をやった方が収入的には安定するのが分かっていてあえてそれをしないところが・・・面白い。
「病院勤めは飽きたわ!」
それでも頼まれれば、こうして医療的行為が出来るのが免許を持っている人の強みですね。
更に馴染みの薬局では、特別廉価購入の優遇もあるようです。
でも、その医療行為で大金を儲けようという気がハナさんには無いのです。
不思議に思って尋ねると
「お金を払える人ならいいけど、困っている人からお金を取ってどうするのよ。そもそも医師報酬も処方する薬が高すぎるのよ。私は普通の薬代をもらえればいいのよ」
ハナさんは以前勤めていたプライベートの病院の方針で「沢山薬を処方するように」言われても従わなかったのは患者さんを「薬漬け」にしたくなかったからと言っています。
それで最低限しか処方しなかったので、病院理事から時々呼び出されて経営方針に従うように勧告されたそうです。
「だからもう、病院務めには戻りたくないわ」
そのあたりが彼女の医者として各地で活躍した際のクライアントからの人気の理由のようです。今でも、時々インターネットでの診察と処方箋を出しています。
息子のアジズもそんな母親を尊敬して「自分も医者を目指したい」と言って目標としているようです。
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さて、マカピーは海外の医療プロジェクトに関わった関係で日本のお医者さんと一緒に仕事をすることがありました。
マカピーが仕事を通じて「医者」には二種類いると考えています。
タイプ1.ワタシは医者である。つまり庶民とは違う国家医師免許をもつエリートであるという「権威あるお医者様」的な医者。
タイプ2.ワタシは医者である前に普通の人間である。教えたことも自分の患者でもない方から「先生」と呼ばれるのは違和感があるので「さん」で呼んで欲しいという「庶民的」な医者。
中には最初はタイプ2から次第に頭を垂れなくなりタイプ1に変化し「ボクを先生と呼びなさい」という加齢的な現象とも思われる医者もいました。
まあ、先生と呼ばれる種類の代表的な職業として「弁護士」「代議士」「医師」があると言われていますね。
そうやって普段から、ヨイショと祭り上げられないと気分を害する性格が医者と言う職種に生まれるのは、病院などの閉鎖社会の特徴であるかと思います。
マカピーが尊敬する医者は、もう引退されていますが日本の国立医療機関のトップまで勤めながら引退するとボランティア活動でタンザニアの無医村で活躍したK先生で、献身的な態度と穏やかな人格が素晴らしい方です。
ネパールでお会いしてマカピーがザンビア滞在中、K先生ご夫妻がタンザニアから遊びに来てくれた際に幾人かの医療専門家と呼ばれる医師も加わって夕食会を催しました。
集まった医師の一人が「K先生と同じ病院に勤めたのですが、当時は恐れ多くてトップの先生と話なんて出来ませんでした」と言うとK先生は「え、そうだったの?気にしなくても良かったのに」と笑っていました。
その医師も今では国際協力の現場で素晴らしい活躍をしていると時々ニュースを知るのですが、やはり良い先達の人となりを吸収されたものとうれしく感じるのでした。
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