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卵のおっとつぁん マカピー日々 ♯1647

マカピーです。
スカイプで連絡したのは、前日が亡くなった父の誕生日だったからでした。

即売5日目状況
ちなみにハマナスレストランでの即売5日目での売り上げは無く、その代わり大量購入したジェイソンが「スタッフの都合がついた」からと大方運び出してくれたのでスッキリしました。

更に「電灯やセキュリティ対策のカメラ類も取り外すよ」と言ってくれたので依頼するつもりです。

道祖神と「ざる観音」

さて、数年前から認知機能が衰えたマカピー母は施設にいます。

いつものようにSkypeで話してみると、体調が良かったのか難聴が改善していて「良く聞こえないんだよ」という事も無く楽に会話ができました。

そして彼女は又コロナだかインフルエンザが流行しているとかで、収容されている施設から出してもらえないのだと嘆いていました。

「ところで、昨日はとうちゃん(亡父)の誕生日だったんだね。マカピーは午後遅く思い出したんだけど、お母さんに電話するには遅いと思って今朝電話することにしたんだよ」

「そうだったね。わたしもここから出られないんで幾年も行ってないけど、ざる観音(近所のお寺の縁日)だったんだね。昔のように沢山の人が参拝に来て店が賑やかになるような事はなくなっちゃったんだろうね」

「それに竹細工する職人がいなくなったんで、肝心のざる(竹籠)も売ってな良いんじゃないかな?」

ここの観音様は、江戸時代?あった逸話です。焼き討ちにあった山中の寺で僧兵?がその強弓の先に小さな金の御本尊の観音像をくくりつけ難を逃れるのですが、それが養蚕で桑の葉を摘んでいた娘さんの背負い籠に入りました。娘さんの家族はその観音様を篤く祀ったところ「養蚕」で成功した事から「ざる観音」を寺に納めて祀る事になったのだそうです。

マカピーの伝聞

「そういえば、道祖神はやってるのかね? たしかお前さんの友達のシゲちゃんの地区は田んぼでやっていたと思うんだけど」

「道祖神てワラで作った道祖神の祠?を燃やすんでしょう?」

「あれ、お前さんは知らないのかい?」

「マカピーが子供の頃にはなかったけど、復活した話は聞いたことあるね。とうちゃんが子供たちがどうやってそれを作り幾日も泊まり込んだ話を子供心に覚えているよ。最後はそれをお正月に燃やして一年の無病息災を祈る行事で近所の人がお飾りの餅などを持ち寄って竹の先につけ焼いて食べたって聞いたなあ」

「そうだったかね。わたしゃてっきりお前さんは経験してると思ったんだけどね・・・」

すると、マカピー母は電話口で突然歌い出したのです。

「道祖神が燃えますよ!
もう直ぐ夜が明けますよ!
卵のおっとつぁんが鳴きますよ!」

かつて大祭であるその道祖神を燃やす際の呼びかけは、子供たちの役目で太鼓を打ち鳴らしながら町内を練り歩くのでした。

当時の様子を思い出したマカピー母はその時の「おふれ」の歌を口にしたんです。

彼女が幼少のころの出来事なのにしっかりと彼女の心に記録されていて、こうして再生できるのには驚きました。

そして「記憶」や「認知症」って何なのかとても不思議に感じる瞬間でもありました。

それにしても雄鶏(おんどり)が朝を告げる様子を「卵のおっとつぁん」と表現した昔の人のウイットに思わず笑ってしまいました。

「おかあさん、いまどきそんな歌を覚えている人はいないだろうね?」

「そうだね。わたしたちの年代の人は少なくなっちゃったねえ」

マカピーはこうして母子の会話が出来るってとっても貴重な時間だって気付くと、涙が出てしまいました。

おかあさん、長生きしてくださいね。

そして彼女の引き出しには沢山の昔話が出番を待っているはずだから、また電話して昔の事を聞いてみよう、って思ったのでした。

マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。思わぬ逸話に笑ってしまいました。



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マカピー
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