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ネコが身をもって助けてくれたのかな?マカピーの日々 ♯1609

マカピーです。
3日前の晩「ハナさんの臨時クリニック」が終わったのが午後8時半過ぎでその後ガソリンスタンドの事務所兼住居をクリニックの場所として提供してくれたフローレンスが食事を提供してくれて、それを頂いて雨の中を戻ったんです。

いつもは到着した車に駆け寄ってくる犬の「ウィスキー」が来ないのは雨でぬかるみがあるせいかなあ?なんて考えながら車を駐車させると、グロリが家の中から出てきました。

マカピーはイフガオ・ハウスにハシゴをかけドアの南京錠を外して荷物を運搬しようと降りてくると、家の前にネコが横たわっているのに気付きました。

「ネコ、どうしたんだ!」 ハナさんも驚いてネコを触ってみます。

未だ体温があり体はまだ死後硬直していませんでしたが、既に呼吸は無く目は見開いたままです。

「ブローよ。ブロアーを持ってきて!」ハナさんは車からブロアーを持ってこさせて30分ほど「ネコ目を開いて!死んじゃダメよ!」と全身をブローし続けました。

マカピーは「帰宅が1時間早ければ違ったかも・・・」と思いながらもハナさんの気の済むようにブローさせました。

「ハナさん、ネコの命はもう帰ってこないよ・・・。マカピーも残念だよ」

ハナさんはようやくブロアーのスイッチを切り「何で、死んじゃったのよ。今朝まで元気だったじゃない・・・」とその死を悼んだのでした。

ネコに関して尋ねるのですがグロリの答えが少ないのが気になりました。

まず背骨に唾液の付いたような跡があるだけで、外傷らしいものが無いのでした。

相当雨が降っていたのですが、背中の一部以外は濡れておらず戸外から戻って来たのではなく、家の中で死亡したのが分かりました。

それに、どうしてネコは入口の雨だれのある軒下に横たわっていたのでしょうか?

それをグロリに尋ねても回答が無いのです。

一体何があったのでしょうか?

もしかして毒蛇の攻撃をかわしそこなって死んでしまったのかも知れないと思ったのですが、グロリはショックを受けているのか会話に加わる事はありませんでした。

そもそもこのネコは3匹いた兄弟の最後の一匹だったのです。

ただ、グロリが準備する食餌内容がご飯だけだったりするので、料理をしたときに肉や骨を分けたりマカピーとハナさんが外食するとその残りをもらって来て犬のウイスキーと分けて食べさせてたりしたのです。

ちなみにグロリは60歳代の女性ですが、ご飯を炊くだけで滅多に料理をしません。

前日もいつもの食堂でブラロという牛のくるぶしを煮た料理を食べた後の少し残った肉付きの骨をもらって帰り、そのままウイスキーに与えるとネコが食べる機会が無いので最初にネコに与えて軟骨を食べさせてやったのでした。

「ペットの死は、家族の身代わりだって言う日本の言い伝えもあるんだ」とマカピーがハナさんに伝えるとハナさんも「同じような話がイスラムでも伝えられているわ」と答えました。

何があったのか分かりませんが、ともかくネコは名前をもらう前に亡くなってしまったのでした。

亡骸を外に置いて翌朝埋葬しようという事にしました。

マカピーとハナさんもイフガオ・ハウスに戻り長時間勤務で疲れていたので休むのですが、母屋の中では寝たと思ったグロリがお湯を沸かしたり戸外で何かガタガタやっているのが気になりました。

「もしかして、ネコを埋葬したのかしら?」って思ったのですが、翌朝の6時なのにグロリは既に家にいませんでした。

自分の飼い猫だったのにネコは埋葬しておらずネコの亡骸はそのままでしたが、井戸端の周囲の様子が変なのです。

先ずマカピーはネコの遺骸を近くの木の根元に埋めることにしました。スコップを持ってきて根っこの交差する土中に何とかスペースを確保してネコを横たえ土をかけ最後に荒らされないように大きな石をその上に敷き詰めました。

ネコ、これまで一緒にいてくれてありがとうね!

マカピーはインターネット接続が無いのでこの投稿が出来ないままでいたのですが、今朝方体中が痒くなり太腿にはプツプツの発疹が広がり「ありゃりゃ、どうしたのかな?夕べ外食した肉料理が良くなかったかしら?」と思いながら、体中に軟膏を塗っても仕方ないのでブロアーを試してみる事にしました。

30分ほど痒みのある個所を中心にブローすると不思議なことに落ち着きました。

ヤレヤレと思い朝を迎えいつものように道路と丘のビューポイントの清掃を終えて戻ってくると訪問客がいました。

皮膚疾患の患者さんでブローしてもらうために来たのですが、フローレンスのガソリンスタンドではなく直接マカピー達の住んでいる家に来てしまったので、仕方なくそこでブローしてあげました。

彼も首筋や腕そして右脚に広範囲にわたってかさぶたがあり相当痒そうです。

マカピーも今朝の事もあり他人ごとでなく丁寧にブローしたのでした。

患者さんが帰って行ったのでグロリとハナさんの3人で朝食を摂ったのですが、そこでハナさんが衝撃的な事を伝えたのです。

「ネコが死んだのは誰かの身代わりって話したでしょう。実は明け方にマレーシアにいる息子のアジズからメッセージがあり従弟の運転で家に戻る際に犬をはねてしまってフロントグリルが壊れラジエターの水漏れがあったという事なの」

「え・・・。それで二人は?」

「二人は無事よ。アッラーに感謝します。でもその話を聞いてからいろいろ考えて朝方まで眠ることが出来なかったの。そして、ちょうど同じ頃あのネコが死んだのは、息子たちの身代わりになって救ってくれたんだって納得したのよ」

「それを知らずに、もう直ぐ会えるからって、夕べも彼らの土産物を買っていたんだから何とも言えないね。ともかく無事で何よりだったね」

「アジズは叱られるかもしれないと心配しているの。従弟に無理を言って送ってもらったのはマカピーが戻る前に家の片づけをしたかったからなんだそうよ」

「3日も前の話だけど、従弟も警官である父親に話していないんだ・・・ね。そりゃ、言えば大目玉食らうだろうからね!」

「父親としては自分の息子の単独事故なら許せるけど、アジズを乗せながら無理な運転をしたとおもって相当叱責するだろうと思うわ」

「二人とも無事だったんだから、良いじゃないか。あのRav4は二人を守ってくれたんだから直せばいいんだ。ただし足が付くので保険は使えないって事だね(笑)」

マカピーでした。

最後までお読みいただき感謝します。ネコ、二人を守ってくれてありがとう。


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マカピー
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