シューちゃんの金庫 マカピーな日々#0505
マカピーです。
友達のシューちゃんは尼崎生まれで関西弁をこよなく愛していますが、普段はマカピー達に合わせて器用に標準語を話しています。
マカピーがシューちゃんに会ったのはフィリピンのマニラからですが、マカピー妻は独身時代にタイのバンコクのスラムで活動をして以来の長い縁がありました。
シュー:「ねえキミ、ボクはかつて上司だった事を覚えているかな?」
マカピー妻:「当時、皆で海に行っても読書をしているインテリだと思ったら、カナヅチだったとは知らなかったわ!」
シユウ:「それ、みんなの前で言わんといてくれる!」
ある日、シューちゃんと日本食レストランで会食していたら、座敷のテーブルの隣に小さな子連れの女性が来ました。
その日本人の奥さんは少々疲れ気味でイライラしているのが分かりました。下の子は疲れて彼女の膝の上で眠ってしまっていましたが、活発な4歳児くらいの長男はテーブルの上のものを触りまくって、母親から注意をうけています。
マカピー夫妻とシューちゃんはそれをチラチラ見ながらも、干渉しないように会話していたのですが、遂に後ろでは母親のいう事を守らない長男に、切れたお母さんが爆発し、叫んだ時にマカピーのテーブルも凍り付きました。
「コラ、シューマ! お前、何度言ったら分かるん? テーブルの上の楊枝触ったらダメやんかー!こんなにこぼしてから、今度やったら痛いからねー!分かったー?!」
マカピー妻:「・・・シューマですって」
シュー:「ホンマや・・・」
マカピー:「なんで、隣のこっちも怒られた気になるんだろ?」
マカピー妻:「そりゃ、こっちにもシューちゃんがいるからよ!」
シュー:「ボクがこっちで楊枝で遊んでるの、本気で怒られたんかと思った」
マカピー:「いるんだ、こんなところにもシューちゃんが!」
それから後ろの母子に気づかれないように、必死で笑いをこらえた三人でした。
またある日の事、マカピー長男が英国でイラストレーターしてる話題になったところで、シューちゃんが「ボク、絵を描くのがヘタだったんだ」とポツリと言ったのです。
マカピー妻:「へー、泳げないんかと思った」
シュー:「ちょっと、聞いてる?ボク絵の事話してんですけど」
マカピー:「そりゃ、長男はプロだから普通の人とは違うよね」
シュー:「そうじゃなくて、ボク絵のセンスっていうか遠近法とか全然ダメなんだ」
マカピー妻:「どういう事?」
シュー:「ほら、例えば建物の絵を描くと箱のようにするじゃない。あれが出来ないんだよね」
マカピー:「じゃあタイ人になんか説明するときに絵を描いたりって?」
シュー:「そういう図説みたいなのは、本当にダメなの」
マカピー妻:「じゃあ、どうやって絵を描くのよ?」
シュー:「そりゃ極力描かない事に徹するの。それでも描かなくちゃならない時もあるじゃない。それでボクひとつの解決策を見つけたんだ」
マカピー・妻:「なに?」
シュー:「金庫を描くんよ!」
マカピー妻:「は?」
マカピー:「金庫がなんですって?」
シュー:「まず金庫の絵を描くの!これ一生懸命練習したんで、できるようになったんだ」
マカピー妻:「家を描くのに、最初に金庫を描くの?」
シュー:「そっ、そうすると立体感ができるの! ほらこんな感じにね」
シューちゃんは紙の上に金庫らしき直方体を描いてそこにダイヤルを丸く入れると、ドヤ顔で
シュー:「まあ、こんなもんかな?わかる?これ金庫」
マカピー妻は何も言わず呆然とそれを見ていました。
マカピー:「ここにダイヤル描いてどうすんの、これから家にするんでしょう?」
シュー:「それが問題なんよ。その後が続かないんだよね。ボクやっぱり絵の才能ないんみたい・・・」
マカピー妻:「初めて見たわ、まず最初に金庫描く人って!」
シュー:「ほっといてんか!」
ちなみにシューちゃんは水泳以外スポーツ万能で、ジジイになった今でもシングルのテニスをやってソフトボールチームのキャプテンもしてます。
みんなちがってみんないい!
マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。シューちゃん花嫁募集中!
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