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多々良のばあ様 マカピーな日々#0439

マカピーです。

マカピーは久々に郷里の友達と群馬県の水上温泉へ日帰り温泉旅行してきました。往復11時間で電車と友達の車に乗っていた移動時間は7時間でしたから残りの4時間で温泉に入り、食事にビールと清酒『谷川岳』で気持ちよくなったのでした。

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さて、その道中の事です。東武伊勢崎線はかつて各駅停車で浅草から終点の伊勢崎まで一本で行けたのですが、それも今や昔の物語。車両の編成が区間ごとに変わったのでブツブツと乗り換えが生じ、おちおち寝ていられないのでした。

実際、聞いたことない駅名が多いなあってしばらく不思議な気持ちでいたら、マカピーが寝ぼけて間違った乗り換えをしてしまった事に気づいたことがあったくらいです。

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今日は館林(たてばやし)という日本でも猛暑の場所として有名な市の駅で乗り換えがあり、あいにくお隣のホームではなく連絡橋の上り下りがありました。

連絡橋のはずれで東武鉄道の運転手(カバンやハンドルレバーを持っていたので)に何やら尋ねているばあ様がいました。

運転手:「・・・ハイ、そうです。伊勢崎行きはこの下のホームに停まっていますすから、そちらにお乗りください」

どうやら、この運転手折り返しの列車の運転手らしく引継ぎのために先を急いでいるようだったので、マカピーが声をかけました。

マ:「私も同じ列車ですから、後は私がお手伝いします」

運転手:「あ、そうですか。よろしくお願いします」

運転手は駆け下りて行きました。

マ:「わたしも伊勢崎行きに乗りますからご一緒しましょう。大きな荷物ですね、それを持ちますね」

ばあ様:「脚が悪くなっちゃってね、手すりがないと降りられなくなっちゃったんだよ」

マ:「あっちにエレベーターがありましたけど、使いますか?」

ばあ様:「ゆっくりゆけば大丈夫だよ」

マ:「出発まであと5分くらいありますから、焦らなくて大丈夫ですよ」

ばあ様はホームに降りると車両に直ぐに乗り込まないで、ガラケーを取り出すと電話しました。待ち合わせしている人が応答しないと心配そうでしたが、出発のアナウンスがあったので彼女を促して中に入り隣同士で座りました。

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マ:「私は終点の伊勢崎までですけど、どちらまで行くんですか?」

ばあ様:「次の駅、多々良(たたら)です。まったく今朝は早く起きてせんげん台(東武スカイツリー線)から来たんだよ。兄が亡くなって45日の法事なんでそこに迎えが来ているはずなんだ、もう一度電話しとくべ」

今度はちゃんと相手が出てもうすぐ到着すると伝えられたのでばあ様が安心したところでドアが閉まりました。

ばあ様:「私はせんげん台に住んでるけど、生まれも育ちも途中駅だった川俣(昭和町かわまた)なんだよ」

マ:「そうなんですか、わたしは同じ群馬の出身で伊香保温泉の近くで育ったんで、恥ずかしい話ですがこのあたりのことは良く知らないんです」

ばあ様:「そうだね。わたしも東京の方に出ることが多かったんで上越線沿いの土地は全く分からんのよ。お互い様だね(笑)」

そうなんです、群馬県はその形が鶴が舞っているような形をしていますが、昔は「毛(け)の国」と呼ばれたことから西毛(せいもう)、東毛(とうもう)そして北毛(ほくもう)の3つに区分され、その「鶴の首から胴」にあたるのが東毛地区で前橋、伊勢崎、太田、舘林とかあるのです。渋川、沼田、水上、草津方面の北毛は「鶴のシッポ」なんです。

ちなみにJRの両毛(りょうもう)線とは群馬の高崎から栃木の小山までつなぐ路線です。古い地名で上毛野国(かみつけのくに/かみつけぬのくに上野国、現在の群馬県)と下毛野国(しもつけのくに/しもつけぬのくに下野国、現在の栃木県)をつなぐので二つの地域をつなぐことから両毛っていう古い地域名を充てたらしいです。沢山の方から両毛線の「毛」って何のことって尋ねられますがそういう事なんです!

東毛でも館林近辺は古い利根川の氾濫原でもあり、どこまでも平坦な水田地帯があり、榛名山や赤城山に囲まれた北毛育ちのマカピーにとって馴染みのない景色でした。

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やがて多々良に到着すると「ヨッコラショ」と立ち上がったばあ様に「慌てなくて大丈夫ですよ」とホームに降りた彼女に荷物を手渡すと、ばあ様は車両から離れるてから、くるりと振り返って「どうも、ご親切にお世話になりました」と言って深くお辞儀をしたのでした。

これで東毛の多々良(たたら)の地名が馴染みあるものになりました。ばあ様ありがとう。

まかぴーでした。

最後までお読みいただき感謝します。馴染みになるちょっとしたキッカケですね!


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