SONICMANIAからSUMMER SONIC 2日間
久しぶりのSONICMANIA(以下、ソニマニ)からのSUMMER SONIC(以下、サマソニ)はやっぱり格別。
週末休みの地方組としてはなかなか平日開催の海外アーティストライブには行けないのもあって、フェスでかじりつくのが恒例行事。
レジェンドや長年観れなかったものだけでなく、アンテナに引っ掛かったアーティストがラインナップに登場するとひとりで歓喜している。
この数年、それが一切なかったから余計に鬱憤が溜まっていたもので一気に感情が爆発した2.5日間だった。
基本おひとり様なので会場で音楽仲間と久しぶりに会って近況を話したり一緒に何かを観るのが通例だけれど、ほとんど会えなかったのはやっぱりいつもと違うんだなぁと痛感した。
KASABIAN
MADEON
電気グルーヴ
MICMANIA
PRIMARL SCREAM
TESTSET
Awich
HARDFLOOR
THE SPELLBONUD
THE LINDA LINDAS
yanawo
渋谷すばる
SQUID
THE LIBERTINES VIDEO LIVE
Maneskin
the 1975
MAN WITH A MISSION
EASY LIFE
3OH!3
Griff
TOMORRW × TOGETHER
女王蜂
ENDRECHERI
KULA SHAKER
ONE OK ROCK
STUTS
フルタイムで観れたものもそれなりにあって満足。
欲を言えば貧乏性の無い物ねだりで、事前にアプリで作ったマイテーブルからは結果的に大分変わってしまったのもあってほんの少しだけ消化不良。まぁ、それはどこに行こうが毎度の事。
どのフェスも昔とは楽しみ方も変わってきて、いつの間にか食べ歩きや散歩をしたり雰囲気を味わうようになった。
肝心のライブは加齢と共に落ちてくる体力の限界点は有に超えてしまい、余計な事も考えずにどのステージでも没頭出来るから後悔はない。
ウソです。
観たかったものはいっぱいあったけれど仕方なく諦めたのが本音。
ここにきてがっつりと体力が落ちてしまった。
そんな渇望から出来た穴はどうあっても埋まる事はないのです。そんな事は分かっている。
とにかくもう足裏が痛くて己が憎くなります。
観た中では様々な事が起きて、中にはネットニュースになっているものもいくつかあった。
本当に観てたの?と言いたくなるような記事もあったりして、なんだろうなぁとモヤモヤしたりする。
やっぱり自分はその場で体感しないと気が済まない性分で、現地レポ以外は読む気にならない。
そんなところがきっと古いタイプなのかも知れない。
観たものについて全部レポしていたら到底書ききれない。
仲間内でなんやかんやと話すのが醍醐味。
数年前のサマソニで観たENDRECHERIのレポから自分を知ってくれている方も多く(未だに読んでもらっているみたいで、ありがたいです)事前に全体のレポを書いて欲しいと言われたこともあったので、それは後半へ書いていく。
これから書いていくこともあくまで個人的な主観で思ったことばかりをつらつらと。
◆
他のフェスに比べると出演キャンセルが思いの外、というか大分少なくて安心した。
もちろん海外勢がいるので過剰な期待はせずに(洋楽あるあるで突然のキャンセル)それはそれで仕方ない。
だけどもTHE LIBERTINESには初めから「大丈夫なのか?!」と思っていた。
どういうことかはネットで検索したらすぐ出るから見てください。
案の定ダメなのかよ!というツッコミがありつつも、VIDEO LIVEを眺めた。
やっぱり生で観たいよ。
数週間前にThe Offspringのパスポート燃えました事故は「おいおい!」だったけれど無事入国出来てよかったね。
結局ステージへ行けなかったので来春復活のPUNKSPRINGで再来日して欲しい所存。
何やらベスト級のライブだったそうだ。
久しぶりにデクスターの声聴きたかったな。
パンスプの復活を知った深夜のソニマニ入場で「うぉぉぉ!」と心の叫びを上げました。
合わせてサマソニ常連のZebraheadが今年はいなかったので是が非でもそこでお願いしたいところです。
PRIMARL SCREAMはScreamadelicaというロック史に残る超名盤アルバムの完全再現。
ド深夜に観るのは眠くて無理でサマソニ本編で改めようと移動した。
それにしてもKASABIANはClub Footで始まり電気でB.B.Eまで観れて、挙句THE SPELLBONUDで突然のアンコールはKICK IT OUTで終わるという。
いったい今は西暦何年なんだと時間感覚の狂うくらいに歓喜した朝はたまらなく正に高揚感で寝れなくなった。
まぁそのせいでTHE LINDA LINDASの終わりかけにギリギリ間に合ってリンダリンダのカバーも観れたから良しとする。
ヒロトとマーシーには会えたのかな。気になる。バンドって夢があります。
例年に比べてはあるものがなかったりしたけれど、何の違和感もなく雰囲気を味わえた。
ダメ元で言えばカジノで麻雀がしたかったです。
会場内を歩いていて一番大きな変化を感じたのはジェンダーの方が多数見受けられた事。
THE 1975がジェンダーバランスの取れたフェスでのみ演奏するという約束があってかなのかは知らないけれど、あらゆる差別や偏見がない「自由」という意味でフェスが持つ本来の理想モデルがここに来てのベースになってきているのかもと感じた。
ネットフリックスオリジナルで“とんでもカオス!ウッドストック1999”を観たから余計にそう感じてしまった。
当時雑誌で見た激烈ラインナップに興奮はしたけれど記事になっていたあの地獄絵図で“海外フェスは怖い”と刷り込まれた。
映像付きで観ると更に生々しくて主催のあれは人でなしと思うのは自分だけでしょうか。
ちなみにリンプビスキッツが悪者みたいな構図もどうかしてる。
お時間あればどうぞ。
それは兎も角、今のコロナ禍にどうしても外せない大きな問題でマスクと声出しの縛りがある。
他国から見ても明らかにおかしい、なんなら海外から失笑されるレベルでも日本にはルールがある以上それは仕方ない。
そんな点から歪みが起きるだろうなと予想していたけれども予感は的中。
国内アーティストは普段通りにルールを守ろうとするけれど、海外アーティストは平然と声出しを煽る。
ダブルスタンダードで納得が行かないという方向へ向かうのも仕方がないことです。
ONE OK ROCKが大炎上した。
あの時に発言していた内容は切り取りばかりでもどかしい。
そう捉えられてもおかしくない感情が伴った際どい言葉だっただけに如何ともし難い。
ニュアンスとしていくつかあって、その中の一つには“このままじゃ後ろに続いてくるロックバンドにこれが当たり前になるっていうのは音楽に夢がない”という意味が込められていた。
あれを発言することでこうなることも分かっていただろうし、背負った上で現状に対しての問題提起をする発言権を得た意味でもモンスターバンドなんだと思う。
世界進出して最前にいるバンドなだけに海外で当たり前の事が出来ない歯痒さがあるように見えた。
海外アーティストはOKで(ルールとしてはダメだけど)なんでこっちはダメなんだという駄々っ子な面に取る事も出来るけれど、ある種のジャパニーズコンプレックスと戦っているようにも見えてしまってなんだか切ない気持ちにもなった。
ひとつだけ怖いのが、それしか知らないファンがその通りと感化されてしまうこと。
一番大事なことはそれを自分の中でそれをどう解釈して答えを出すかだろう。
ただ、とにかくライブはよかった。流石はワンオク。
◆
ジェンダーレス、ボーダレスという組み方から沢山のアーティストが出演していた。
女性ボーカルやガールズバンドも目立ったのも特徴的。
リナ・サワヤマが初来日でサマソニだったのも印象深い。観たかった。
代表格で尚且つ個人的なベストアクトはManeskin一択。
これから先、間違いなく何年も語り継がれていくようなアクトで圧倒的だった。
決して涙するようなバンドではないけれど、バイラルで食い込んでロックンロールリバイバル。
心底これだよ!これ!とカッコよすぎて自然と涙が出た。
終わった後には友人としばらく無言のまま放心状態で立てないくらい。
ロックンロールが少ないこの時代に、こんなものが観れるのかと本当に文字通り痺れていた。
ヴィクトリアのニップレスが取れてしまった件でも意見が出ていた。
その点はもう性的なものよりもロックで感情を塗り替えられていたのでエロを感じるものでもなかった。
猿の被り物でプレイした“I wana be your dog”がこれまたポリコレまがいにSNSで叩かれる。
揶揄、皮肉、性差別、偏見、だとか過剰反応に、ごちゃごちゃうるせぇな!って気持ちになる。
ライブを見ろ、ライブ。
「頑張れ!頑張れ!」って日本語使って話したりしてめちゃくちゃ愛くるしかった。
◆
最終日に観たENDRECHERIには贔屓目とかではなく一切それがなかったように思う。
もちろん他のライブもフラットなのは当たり前なのだけれど、陰鬱なものを取っ払う意味で一番際立っていた気がする。
愛と平和をFUNKでというテーマがあるだけにドンピシャでしょう。
最前エリアは分からないけれども、よく言う「地蔵」も出番前の女王蜂に見られなかったし、普通に女王蜂で乗ってる人もいて物凄く印象が良かった。目立つんです、紫は。
公開リハが始まって人だかりが出来る中、ソリッドな音がソニックステージに鳴り響いて火が灯るような、そんな感覚。
ビッグバンドがステージ上に窮屈なようにも見えて、こんだけバンマス従えてんだなと改めて感じる。
数年前に観た位置よりも物凄く前に行ってしまったので(ごめんなさい)周りに海外の人はあまり見えなかったけれど、アジア系の方が少しはいたかな。
紫Tシャツの男性は多数いた。バカみたいだけど「同士」とほんの少しだけ嬉しかった。
サウンドが一番良いPA付近で観れたのでアタックの強いベースからくるPファンクのグルーヴは最高に気持ち良かった。
セットリストはベスト盤のようなカタログに近いものがあって分かりやすい。
分かりやすいというのはハンドクラップやタテノリのフィジカルな動きがあるという意味。
ライブ仕様のVJもあるので知らない人でも楽しみ方の幅が広い。
どのステージでもMCが毎年いる。
話は違えどサッシャさん、Booさん、奥浜レイラさんを見ると何故か安心する。
やっぱり今回は「声出しは」「モッシュダイブは」と注意喚起するわけです。
ソニックステージで奥浜レイラさんのMCでは「私たちには身体があります!」という言葉があるのだけれども、ここではもろにそれが具現化されていた。
ファンクの性質上、フィジカルとの親和性が高いのでコロナ禍の対応力が強いのかも知れない。
VJあるしSEはEND RE CHERIからやるかな?なげぇしな。ないよな・・・とほんの少しだけ期待はしていたけれどもなかった。
まぁ、あれはDVDで観るから良しとする。
部屋暗くして観たら飛んじゃうかも知れません。
ノーMCのまま次から次へと曲が繋がり空気も変化していくわけで、語弊があるけれどもDJのようなつなぎ方でめちゃくちゃ気持ちいいのです。
あれなんだったんだろ。
BPMが近いのもあるんだろうけれども。キーコードもあるのかな。調べてみようかな。
後半に向け加速してからの「勃」はごめんなさい、パーソナルエリア広く取っちゃいまして。
あの音が本当に大好きです。
周りに伝えるのに例えているのはKing Gnuでゴリゴリのミクスチャーみたいなのって言っている。
ラストに「これだけの日を跨いで来たのだから」をシンガーソングライターとしてきっちり歌い上げて終わるというフェスでの終わり方。
散々ファンクでぶちかましておいてラストは聴かせるのか!と。
魅力全詰めでそりゃあレスポンスが悪いわけがない。
さっき書いたフェスの理念になるであろう要は本来の自由という意味合いがこれから先には物凄く重要で、出した新曲の『1111111~One Another's Colors~』がキーでもある。
声出しを煽ることもなく、身体で楽しむ。
あの頃の平和が欲しいんだろ?これから先、キミはどうする?と問うようなそんなライブ。
◆
フェスの醍醐味であったはずのものがなくなって別の形になろうとしている。
今はいつか海外みたいにノーマスクで声出してモッシュダイブ出来るような時が来たらいいよねという気持ちでしかない。
今は3年振りにやってくれてありがとうという気持ちのみ。
ちなみに体力の限界でPRIMARL SCREAMは諦めて終電で帰った。
新幹線の中で何やったのかな?とセットリストを見るとRocksで終わったそうだ。
深夜にもやれよ!一番聴きたかったわ!
ということはClub Footで始まってヘッドライナーのPost Maloneよりも長くやったプライマルが実質トリでRocksで締める2022年。
改めてとんでもない年だった。
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