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アウトローのアウトドア(80):釣りの話①:田んぼの用水路で…俺は釣りを始めた

俺のアウトドア遊びのひとつに、釣りがある。
「釣りは鮒に始まり鮒に終わる」なんて言うが、俺も例に漏れずフナから始まった。
今どきの奴らは「フナ」と聞くとヘラブナを思い浮かべるみたいだが、本来はギンブナ、マブナのことだ。

小学生の頃、親戚の家に遊びに行くと、決まって田んぼの用水路でフナ釣りをした。
濁った水に釣り糸を垂れる。
水中は見えないのが当たり前で、ウキの動きだけが頼りだ。
親戚んちの爺さんは、近くの竹林から適当な竹を伐り出してきて、それを竿にする。
ナタで枝を払って、ちょうどいい長さに調整して手竿を作るんだ。
いや、爺さん、すげぇな。
俺はというと、釣り好きだった親父がしまい込んでた適当な継ぎ竿を借りて使っていた。

釣りをする理由?

たまに「なんで釣りなんかするの?」なんて野暮なことを聞く奴がいる。
大抵は釣りをしたことのない奴の戯言(たわごと)で、ツマラナイ質問だ。

答えは、釣りをすれば分かる。

魚が掛かって、ビビッと伝わるあの引き。その瞬間、本能のスイッチが入るんだよ。
魚を獲って食うとか、仕事にして金を稼ぐとか、そんなのは副次的な理由にすぎない。
もし「魚を獲ること」自体が目的なら、網のほうが効率がいい。
一網打尽」って言葉があるくらいだからな。

でも「釣り」は違うんだよ。
釣れば分かる・・・それで分からない奴は、説明しても分からんし、説明する必要がない。
(そういう奴を俺は相手にしない)

釣りから離れた日々、そして再び…

ガキの頃はフナ釣りに夢中だったが、だんだん釣りから遠ざかっていった。
釣りができる環境じゃなかったし、道具を揃える金もなかったからな。
名古屋で会社勤めをしていた俺は、その後、関東に異動になり、神奈川県へ引っ越すことになった。
家族連れでの引っ越し。 賃貸マンションでの生活。
大した稼ぎもなかったから、休日に楽しむと言ってもできることは限られる。
そこで思いついたのが、フナ釣りだった。
住んでいた場所の近くには、相模川の近くに「花水川」が流れていた。
釣りを再開するには、ちょうど良かった。
(花水川は相模川の支流だと思っていたが俺の勘違いのようだ。別の小河川でも釣りをしていたからかもしれない)

久しぶりのフナ釣り

まずは道具を揃えるために上州屋(釣具店)へ。
3mくらいの安い振り出し竿を買い、釣り糸(1号くらい)、フナ釣り用の仕掛け一式、それに出来合いの練り餌も用意。
バケツ片手に花水川へ。
久しぶりの釣り。手順はシンプルだ。

  1. 振り出し竿に糸を結ぶ

  2. 竿と同じくらいの長さに糸を調整

  3. 先に仕掛けをセット

  4. ハリに練り餌をつけて川へ投入

あとはウキをじっと見つめるだけ。
水面に浮かぶウキが、スッ…と沈んだ瞬間、手元に伝わる引き。
もう、テンション上がりまくりだったよ。

花水川は小物釣りの名スポットだった

調子に乗って相模川の合流点付近でも試したが、ここも結構釣れた。
後になって雑誌で釣り情報を調べたら、花水川は昔からフナ釣りやタナゴ釣りで有名なフィールドだったらしい。
なるほどな、俺はラッキーだった。
ガキの頃に始めたフナ釣りが、大人になってまた戻ってきた。
道具が変わろうと、場所が変わろうと、ウキが沈んだ瞬間のあの感覚は、何年経っても変わらない。
それで、俺はまた釣りをすることになった。

(2025-01-29)

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