
アウトローのアウトドア(119):写真の話①:フィルムカメラの時代
写真撮影っていうと、今じゃ年寄りの趣味扱いされることも多いな…多分(笑)。
俺がガキの頃、カメラは憧れの道具のひとつだった。
フィルムカメラの話だ。銀塩写真(アナログ写真とも言う)…分かるかな。
今は誰でも写真を撮る時代だ。スマホにはカメラが当たり前に付いていて、静止画はもちろん、動画撮影だって気軽にできる。
だから、誰もがカメラマンになった。
でも、俺の子供時代は写真を撮ること自体が特別だった。
カメラは高級な道具で、誰もが持っているわけじゃなかったんだ。
俺が最初に使ったカメラは、家族用に親父が買ったオリンパスのハーフカメラ(ハーフサイズカメラ)だ。

オリンパス Olympus-PEN EE2
これは35mmフィルムを使うが、ハーフサイズで撮影するから36枚撮りのフィルムなら倍の72枚撮れる。
昔はこういうハーフサイズのカメラがいくつもあった。リコーのオートハーフとか、キャノンのデミとかもそうだな。
オリンパス・ペンEE2は自動露出で、フォーカスフリー(オートフォーカスではない)。
撮りたいものをファインダーに入れてシャッターを押すだけ。露出不足のときはシャッターが切れない仕組みだ。
今で言えば「写ルンです」と同じようなカメラだな。
家族用として1台あったって感じで、天気が良い屋外ならそれなりにキレイに撮れた。
でも、「カメラを使ってる」って実感がイマイチ無いんだな(苦笑)。
ミノルタ(Minolta)SR-T SUPER
そんなわけで、もっとちゃんとしたカメラが欲しくなった。今思えば、庶民のガキが贅沢なことを言ったもんだ。
でも、俺の親父が景気のいい時期で、なんと中学生の俺に一眼レフを買ってくれるって言うんだ。
当時、俺が欲しかったのはオリンパスOM-1だった。でも、カメラ屋の店主が勧めたのはミノルタSR-T SUPER。

どうしてミノルタを勧めたのかは分からん。店主にとって都合が良かったのか、それとも本気で良いと思ったのか…(笑)。
でも、実際、いいカメラだった。
ただし、結構デカくて重い。OM-1はもっと小さくて軽かったから、そっちが良かったんだけど、贅沢は言えない。
親父も俺もカメラに詳しくなかったから、カメラ屋の店主を信じるしかなかった。
十代の間はずっとこのカメラを使った。写真に凝って、部屋を簡易暗室にしてモノクロ写真の現像からプリントまでやったりもした。
もしずっと続けてたら、専門家になってたかもしれん。
でも、大学に入る頃には家を離れて、カメラも家に置きっぱなしにしてたら、いつの間にか無くなってた(苦笑)。
結局、それくらいの執着しかなかったんだな。
(2025-02-26)
