
アウトローのアウトドア(124):写真の話⑤:最初に買った中古カメラ…Nikon New FM2
若い頃、ニコンは高嶺の花だった。
中学の頃、親父が買ってくれたミノルタの一眼レフが俺にはちょうどよかったし、大人になってもニコンには縁がないと思ってた。
50代の頃だったかな…。思い切って入った名古屋の中古カメラ屋で、そこの店主に勧められて最初に買ったのが、ニコン New FM2だった。

これが素晴らしかった。ミノルタのSR-T Superと比べても、「精度の高い機械を操作している感」が半端ない。
シャッターの切れ味が気持ちいい。
巻き上げレバーのスムーズさ、そして音までセクシーだ。
それに、手に持ったときの重みがちょうどいい。
SR-T Superは「重さ」を感じた。
FM2は、心地よい「重み」とでも言えばいいかな…。
中古カメラ屋の店主は俺と同年代の男だったと思う。
その店主が「ニコン巻き」を教えてくれた。
なぜか…カッコいいんだ。報道カメラマンにでもなった気分になる。
店主にノセられて、まあ色々買ったよ(笑)。
その頃から、「モノクロ写真」が好きになった。

ガキの頃はカラーが良かったんだ。そりゃ、鮮やかな写真のほうがいいに決まってる。
まあ、大人になっても鮮やかな写真が嫌いなわけじゃない。
だからフィルムはリバーサル(ポジフィルム)のベルビア(Velvia)とか、つい使いたくなる。
店主が言う。
「ベルビア使うと、写真が上手くなった気持ちになるから…(微笑)」
まったくだ。
そう言われて、リバーサルフィルムを直接見るためにライトボックスとかルーペとかも買うことになってな…(苦笑)。
まったく、店主にやられっぱなしだったな。
瑞穂区にあったあの中古カメラ屋も、今はもうない。

店名が変わってるし…代替わりしたのかもしれん。今は中古カメラを扱っていないようだ。
でもな…モノクロフィルムで写真を撮って楽しむのは、めちゃくちゃ金が掛かるようになった。
フィルムも高額、現像も高額…。
だから仕方ない。
モノクロはデジタルカメラで楽しむことにしたよ。
(2025-03-02)
