【読書】同志少女よ、敵を撃て/逢坂冬馬【レビュー】
本書は、ドイツ軍・ソ連軍合わせておよそ3,000万人という戦争史上最大の死者を出した「独ソ戦」を舞台に、セラフィマという一人の女性狙撃兵の視点で描かれた戦争史である。
セラフィマとその周りを取り巻く多くの登場人物は架空の人物であり、撃つか撃たれるか、殺すか殺されるかなどといった戦争におけるミクロな戦闘描写は、主にこれら架空の人物同士によって描かれる。
一方でヒトラーやスターリン、リュドミュラ・パヴリチェンコ(確認戦果309名を射殺したソ連最高の女性スナイパー)など、実在し