【中編】TOEIC800点越えまでの道のりを振り返る
TOEIC800点を目指して勉強を開始してからいきなり790点取っちゃうところのお話です。
前後編とする予定でしたが、えらい長いので中編を追加し3部構成とします。
はじめにおことわりしておきますが、点数爆上げの裏技的なことはこの記事では扱っていません。そんなものはありません。
普通に苦労してそれなりに英語をカタチにした話。
400点未満だったところから1年かけて825点まで上げた時にやった事、やらなくてもよかったことを綴っていきます。
前編はこちら。
勉強を始めた
22年10月1日。英語漬けを始めた日。
スタートラインは中学生レベル。
単語?文法?発音?
とにかくわからなすぎて、何から手をつけていいかすらもわからない。
時制(過去形とか未来形とか現在完了進行形とか)も品詞(形容詞と動詞と副詞の違いとか)も冗談抜きでわからない状態でした。
そのおかげで変なプライドもなく中1レベルから始める事ができた。
ここが一番大切なところだったのかもしれないです。
最近はYouTubeに英語の基礎の授業動画がゴロゴロあるのでいい時代になったものです。
初期はダイジュ先生やもりてつ先生の動画をよくみていました。
中高と習ったことはあるはずなので、当然初耳ではなかったですが、真面目に体系的に学ぼうとすると新たな学びだらけだったと思います。
合わせて問題集と参考書の代わりとして学習アプリの「abceed」の有料会員の登録をしました。年間会員だと約2万円のところ、半額セールで1万円を切っており、月千円弱ということで即決。現在のTOEICの予測スコアを算出してくれる機能があり、模試をやったら400点台でした。 学生のころよりはましなレベルですが社会人としては全く情けない点数。
目標の設定
まず、目標を設定しました。
目標設定は
大目標(1〜数年スパン)
中目標(数ヶ月スパン)
小目標(1〜数週間スパン)
を設定しようと何かで読んだので、これを取り入れた形です。
大目標:何年かかってもTOEIC800点を達成すること、と掲げ、
中目標:通過点としてまずは600点を次回の受験で達成すると設定。
小目標:中目標を達成するために日々行う目標として定量的な目標として1日3時間、定性的な目標としてまずは文法の理解を進めることを最低限毎日やること、として設定。
このように、上位の目標をクリアするためにどんな積み上げがいるかを分解して下位の目標に落とし込むことで、日々何をやらなければいけないかが明確になったと思います。
当然大目標が壮大になる程、下位の目標もシビアになるので注意が必要。
受験日を決めた
チャレンジもせずに折れてしまうことを繰り返さないため、この日に受験すると先に決めてしまうことがどんな試験でもおすすめです。
逆に試験日が決まっているような試験の場合はそこから逆算したスケジュールを組む必要が出てきます。
最初の受験日は早すぎると力がつかないし、遅すぎると焦りがなくなると考え、約4ヶ月後の23年1月末に行われる試験をターゲットに設定しました。
田舎に住んでいるため、車で行ける範囲の試験会場が1つしかなく、そこのスケジュールに合わせただけなんですがね。
(コツ)とにかく1日もやらない日を作らないこと、習慣化すること
初めて以降、今日に至るまで大事にしているルールがあります。
それは「サボらないこと」
簡単なようで、一番難しい課題かもしれません。
サボる事がよくないのは当然として、理由は以下の2つです。
・サボり癖につながる
以前に勉強習慣が終わってしまったのも、ジムに通うのをやめてしまったのもこれのせい。1回サボると、2回目のサボりやすさのハードルがぐんと下がり、3回目ともなればもう罪悪感などなく気軽にサボるようになっていきます。
・1日分のサボりを取り戻すために1日以上の時間を要する
人間は忘れてしまう生き物ですから、勉強した内容を定着させるために大切なことは復習に尽きます。時間が空くほど忘れてしまう量は増え、復習に時間がかかります。
しかし復習ばかりしていては現状維持しかできないため、プラスで新たな学びを得る時間が必要となってきます。
となると、一日サボることによって、翌日が復習で潰れる。そしてその日に進めるはずの部分に着手できない。この悪循環で勉強のサイクルが崩壊します。
どうすればいいか。習慣化することです。
ご飯を食べる、歯を磨く、勉強する、という感じで毎日当たり前にやることに組み込んでしまう。
大体3週間くらい意識してやれれば、あとは今日勉強してないからしないとなーといった感じでごく当たり前にこなせるようになり、最終的には勉強してないと気持ち悪い感じがするようにまでなります。ここまできたら意識しないとサボれなくなります(笑)
文法から潰していく
文法は全ての基礎になるところです。
英語は語順が全てのため、単語を並べるルールを理解する事が最優先。
しかも、所詮はお約束事なので、年々新ルールが追加されたりはしません。終わりが見えるわけです。やってさえいれば。そこを固めてしまえば文章の骨格をつかみ、だんだんと順番から文章の意味を推測できたりします。
単語学習やそれの発音となるともう終わりが見えない。ほぼ無限にあるのですから。
まずは一通り文法からスタートしました。ネットで定番といわれたこちらの書籍を3周。
中学レベルから、ということで舐めちゃいけません。超基礎なのでこの範囲に穴があってはいけないということ。1周して理解したつもりでも、もう1周すると理解できていないところが見えてきます。ダメ押しの3週目で苦手部分を重点的にやっていく。
文法が終わったら単語も徐々に入れてく
私は定番の金のフレーズを使いました。定番だから買ったのですが、結果として非常に有用な一冊です。
始めた当初金フレでもレベルが高すぎました。
一番最初の章から600点レベルなのです。それ以下の”覚えてる前提”な単語たちを先に覚える必要があり、銀のフレーズを先にやりました。
初挑戦で今の点数が見当もつかない、いま500点レベルより下にいると思う、そんな人はこっちから始めるのがいいと思います。
TOEICを知り尽くした著者によるTOEICで出まくる単語が網羅されているので、まず単語をやるとなったらこれです。
語学は究極は暗記するものではなく、何も考えなくても自然に使えるレベルに持っていく必要があります。
とにかく反復して、たとえば単語なら「Apple」と聞いて、瞬時に脳内に🍎が浮かぶ状態にまで持っていく。
えーと、アップルだから、りんごのことだな、、、と「Apple=りんご」と考えて日本語に訳せる能力から一段上の瞬時の理解が必要となります。
リスニング問題は単語単位で分解してえーと、、、って考えてる時間がないから。
とにかく回数やる事がポイントです。3ヶ月毎日回した単語帳ですら、毎日数個は思い出せないものがあります。
俺アホなんだ、、って思わなくて大丈夫です。多分みんな忘れまくる。
(コツ)まとまった時間で机に向かうことだけが勉強じゃない
以前に勉強で失敗したことの1つに
勉強 = 夜に自宅で机に向かい授業動画を見ながらノートを取ること
と固定観念を作ってしまった事がありました。
実家に帰省した時、飲み会で帰りが遅くなった時、どうしてもこなせない日が出てきます。そうするとサボり癖に繋がり、いつしか勉強習慣の崩壊につながる、と。
そうならないためのポイントは以下の2つ。
・スキマ時間をかき集めろ
社会人でも朝起きてから、夜寝るまでの間にスキマ時間というのは探せばいくらでもあるものです。
私の例で言えば、
通勤往復30分、お昼休み1時間、子供が寝てから1時間半
と余暇を置き換えたことで、基本的には早起きや夜更かしなど生活リズムを壊さないままで時間を確保してきました。
他にもお風呂に入っている時間、朝起きてから準備しながらテレビを見てる時間、数分暇でスマホを何気なく見ている時間。誰でも全く隙のない人生を送っている人はいないわけで、その気になればこんなに確保できるのです。
・どこでもできる勉強手段を用意せよ
家じゃないと、まとまった時間がないと、テキストを広げる場所がないとできない、とできない理由をひっくり返してみましょう。
スマホがあれば基本的にはいつでもどこでも、数分の時間でも勉強に当てる事が可能です。
私が使っていたabceedや定番のスタディサプリEnglishなどでは1問から解く事ができます。出先では単語の復習、家でまとまった時間があればパソコンの大きな画面で長文問題、などと使い分けもできます。
有料のアプリにはなりますが、毎日使うなら安いものです。時間を金で買うという考え方を身につけましょう。
1度目の受験に向けてやったことまとめ
初受験までおよそ4か月でやったこと
まずは英文法を頭に入れる。初級レベルでもなんでも、1冊を完璧にすることを優先。書いてある内容は同じで、説明の細かさ・深さが違うだけ。
文法が固まってきたら、単語帳をぶん回す。銀フレが95%くらいわかるようになった。
abceedをやりこんでおすすめ問題をガンガン解く、解説読んではとにかく解く。この繰り返し。
試験が近くなってきたら公式問題集などで2時間ぶっ続けの試験を何回かやってペース配分とか集中を切らさない練習をする。
やる気が出ない日も10分でいいから英語に触れる時間を確保する。
ついに 初めてのTOEIC受験
単語帳やりこんでただ成長の実感がないまま1回めの受験を迎えます。
1月(開始から4か月) 初受験の日
体感としては手ごたえが全くないまま、会場の雰囲気に呑まれつつ何事もなく終わりました。時間配分をとにかく意識して完答を目指したが7問くらい残って塗り絵。自信は全くなかったので、600点とれるかな?っていう自己評価でした。
1回目の結果が出た
紙の認定証(スコアの紙)が郵送されてくる前にオンラインで点数が公表されます。12時ピッタリに出るのですが、発表日は朝からソワソワします。これは何回やっても慣れるものではなく、多分何回目になっても試験結果が出る日というのはソワソワして何も手につかなくなってしまうのだと思います。
びっくりしました。790点。こんなに手ごたえのないハイスコアがあるか。他の人と間違えたんじゃないか、と信じていなかったものの、公式認定証が来てどうも本当に790点取ったらしい。と実感しました。
abceedの模試でどんなに上振れしても700行くかどうかという予測スコアだったため、かなり実力と比べても上振れしまくった点数なんだろうなと思います。
とにかくうれしかったですが、これが良くなかった。これまで400点レベルのチャレンジャーとして謙虚に積み上げていたのに、あと10点で大目標の800点達成じゃん!とうぬぼれマンに変わってしまいました。
やめときゃいいのにこれまでまでのルーチンを壊し、問題解くよりも新しい単語覚えようとか、もう800取れたつもりでTOEICから軸足を英会話に移してみちゃったりとか色々変えました。
正直なところ800点の壁をなめていたんだと思います。
かかった時間
記録を開始した10月から一度目の受験を終えた1月末までの約4か月。
約350時間英語学習に使っていました。1日当たり平均3時間弱ですが、11月12月は別の試験と並行でやっていたので実際は4時間以上毎日やりました。
700点くらいとりたければ350時間勉強する。割と再現性があるかもしれませんよ。
よく●ヵ月で900点!とかありますが、あれも結局はどれだけ勉強時間を詰め込めるかです。理論上可能でしょうが、質も量も大事、例えるなら100m走のペースでフルマラソンを完走する、みたいなタフなことを要求してくるわけです。
ちなみに TOEICでいい点の人は話すのも上手いのか。
英語力ほぼゼロから勉強してTOEIC800点近辺の人の英会話力ってどんなだと思いますか?
答えは簡単、やってなければ全く伸びていません。一般的に言うTOEICの試験はL&Rといってリスニングとリーディング力、つまり聞く力・読む力を問われる試験です。数学の試験対策で元素周期表を覚えたりはしないように、読む試験で英文を書くトレーニングは全く積まないできたわけです。
私はよくこう例えます。
難しい漢字でもある程度読めますよね?でも書くとなると全く出てこない。
読む(聞く)能力と書く(話す)能力は全く別物で、連動して自動的に伸びるということはほぼありません。
例:「躊躇う」「薔薇」などなど。ためらう、ばら、私は瞬時に読むことはできますが、書くことができません。
余談 TOEICなんて意味ないのか
よく「TOEICなんて受けたって意味がない」という意見をお持ちのひとを見かけます。いわく、「TOEICの点数低くてもペラペラの人はいるし、点数高くても全く話せない人がいる」
それ自体は事実ですが、若干的外れ。上で書いた通り話す力のテストじゃないから。前者は英語ペラペラでも2時間の試験に向き合う集中力だったり、テストの勝手が分からなければ満点は難しいでしょうが、少なくとも話せるレベルの人であればそこそこ高得点を取っちゃうと思います。あとペラペラなら証明する必要がないので受けない人もいるのでは。日本人が日本語検定受けない感じで。
後者は多数存在すると思います。聞く・読む能力に限って、優れた成績を収めたという証明なだけなのでスピーキング力がゼロでも理論上満点取得だって可能です。
ただ、それを持って意味がないと言い切るのは暴論が過ぎるのではと思います。
それに、少なくとも私にとっては意味がありました。
英語検定などのように何級と分かれていて、合格・不合格しかわからないのが一般的ですが、細かく5点刻みでスコアが出ることで英語力の定点観測として時系列で英語力を比較できます。今どのレベルにあるのか、高い解像度で知る事ができる。
それと、会社からは600、700、800と規定スコアを超えると報奨金も出るためモチベーション維持にも役立ちました。
次回予告 最終回
先にネタバレを書いておくと、この後2回受験するのですが、800どころか790にも達しない点数を2回続けて取り、もがくことになります。
低迷期に何をやったのか。
後編に続きます。