福永弁護士による公益通報者の論点について
3月12日に西播磨県民局長が報道機関に文書を送付したことが、公益通報者の扱いになるのか?ならないのか?
この違いにより県民局長を停職3ヶ月に処したことが公益通報者保護法違反になるかどうかで、大きく意見が分かれる。
ここで、福永弁護士が自身のYouTubeチャンネルで解説しているが、この内容が非常に精密で、偏頗のない意見を述べているので部分的に書き起こした。今後、斉藤知事を巡る問題を考える時に欠かせない見解であり、是非読まれておくことをオススメします。
福永弁護士の解説
YouTube動画より〜書き起こし〜
9月6日の斉藤元知事の証人尋問では「広域通報には当たらない」と言う言い方をハッキリしているが、これは彼が謝った見方をしている。
なぜこんな誤った見方をしているかというと、3条の不利益取り扱いの禁止の規定とごっちゃにしているからね。
公益通報に当たるかどうかは2条だけで良い。
さらに不利益取り扱いの禁止とか、解雇無効といった少しパワーアップした保護を受けるためには、1号2号3号と、各通報毎に要件は変わっていきます。
通報に真実相当性があれば解雇や懲戒処分が無効になる可能性がある。
兵庫県の顧問弁護士の藤原弁護士が不利益取り扱いに関して真実相当性がないから問題ないと判断したと言う発言を百条委員会の中で何回もしているが、あくまでも公益通報者3〜5条にあたらないという話をしているのであって、公益通報には当たらないとは、藤原弁護士は一度も言っていないんですよ。
それを斉藤前知事がごっちゃになっていて、公益通報そのものに当たらないという言い方をしている。
ここは誤りです。
もう一つの論点
もう一つの論点として、懲戒処分自体は問題なく有効だといえるが、そもそも通報者である元県民局長を特定したこと自体が問題があるか。というところが2つ目の論点。
むしろ今回の斉藤元知事の対応は、そこに集約される。
これは公益通報者保護法11条に書かれています。
11条は公益通報を実効性のあるものにするために、事業者側に内部の構築義務を課すもの。
特に11条4項の条文の読み方が、2通りに分かれています。
11条4項が1号通報に限定されるのか?1号から3号まで広く適用されるのか?
で争いになっています。
この4項の構築義務の具体的な中身は、指針で定めると書かれており、その指針が消費者庁から出ている。
そこには「通報者の探索禁止義務」が書かれている。
足立議員が消費者庁に確認したところ、3号通報もこの保護にあたると言っていたという話です。
さらに消費者庁が出している指針の解説によると3号通報もここに当たることを前提とした記載が含まれている(解説14ページ)
結論
以上が、福永弁護士の解説による
公益通報者保護法の一部解説である。
これを読む限り3月12日に西播磨県民局長がおこなった報道メディアへの告発文書送付は、公益通報者の秘匿と保護に該当することになる。
にもかかわらず、ネット上では立花氏のリハック番組内での見解に踊らされ、兵庫県の通報窓口に通報した4月以前の外部通報は、公益通報にはあたらないという間違った情報が流布している。
これを福永弁護士が正確な解説を行ったといえるので、本物の弁護士と自称法律の専門家を名乗る人物の話とどちらが正しいかは、考えるまでもない。
しかも、福永弁護士はもともと立花孝志氏の熱烈な支持者であることを考えると、今回立花氏との見解が真逆であることは非常に、興味深いといえるだろう。
以上、下記リンクの動画より抜粋した。