受注計上
受注計上させていただきますと言ったら呼び出された。誰に対してへりくだったのか問われた。説明さえできなくなっていた。怯えた犬のようにして縮こまり、懐こうとして尻尾ふってすり寄って。もうよせよ。うすら寒く小賢しい真似おしまいにしよう。はい。わかりました。キッパリと言った。そのあといつもと変わらない光をたたえた目の先輩から昼間だというのに軽く飲もうと言われて、まったく垂直に貫かれる樹氷のようによく冷えた生ビールで喉を鳴らすだけの2体のからくり人形になった。格別という他なかった。その日は直帰して翌朝、受注計上した。