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宝の山

主人が相続で押しつけられた山の
手入れをし始めて3年目ぐらいでしょうか
相続の話の時に「これはいらん!」と
ポイ捨てされた山
先々代が入手し柿やミカンを作っていたそうです
先代が手入れを全くしていなかったため
蔦が絡まり草木でジャングルのようでした
「これはいらん!でも山菜は採らせてね」
と母妹たちは言いました
今住んでいる建物にいたっては
「テナントの家賃は頂戴ね」と

結果として相続の話とは別に
被せられ続けた支払い合計金額を請求しましたが
知らんふりをしたので
こちらとしては相続ではなく物納というつもりで
山と土地家を手に入れました(形としては相続)
もちろん山菜も家賃も
渡すつもりは全くありません

木々を伐採し新たに植樹し
細い道を作り小屋を使えるように片付けて
一部に猪や猿避け対策にフェンスを巡らせました
そこにちょこちょこと野菜の苗や果樹を植えました
根つかず無くなっていったものもあるけれど
サツマイモ・ナス・ピーマン・シシトウ等々
農業初心者の主人が
ワクワクしながら育てています
花木もいろいろ植えました
春には雪柳がチラリと咲いたし
今年は紫陽花が初めて一輪咲きました

昨日の収穫!

毎週土日は山へ行って汗をかいたり寛いでいます
欲の皮の突っ張った連中の事など忘れて
山と仲良くしていけば良いと思います
刈られても薬でやっつけられてもまた現われる
雑草たちみたいに負けないで欲しい

桜の木もたくさん植えました
山影になる所には
私の希望で紫陽花をたくさん植える予定

こうして土や植物や生き物たちと向き合っていると
ーーー最も私はただの賑やかし役
農業を営んでいる人たちの
知識や技術や労力に感服します
耕作放棄地などは本当に勿体ないと思います

よく娘を農家には嫁がせたくないと言うけれど
我が娘は大規模農業をしている会社に就職しました
動機は〝大型の働く車に乗ってみたい〟というもの
すぐ辞めると思っていたのに4年目に入りました
3歳半まで赤ちゃん単語しか言えず
○歳までおねしょが終わらず
中学時代の成績は後ろから数えた方が早かった娘
今では親の何倍もの貯金があり
親が知らない事をたくさん習得して
大きな車も華麗に操っているようです
そして何よりたくさんの仲間と汗を流しています

将来は父親と山の手入れをしてくれるでしょうか

あの山がいろいろな意味での宝の山になるまで
頑張って生きないとと思っています
5年後10年後の山の様子を想像する楽しみがあって
もう既に宝の山なのかも知れません

人間も生き物です
自然を無視しては生きて行けません
案外…食物連鎖の一部でしかないのかも知れません
ん?もしかして人間が〝使われている〟のかも


ごん太と山のまわりを散歩していて
とある場所で立ち止まりました
いつもならグイグイと向かう所です
視線の先を見ると高い木の上に猿がいて
ザザっと遠ざかって行きました
その後呼び掛け合うような声が飛び交いました
かなり遠かったのにお互いに気がついたんですね
ごん太の野生を感じた一場面でした







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