楽しむこと
僕は人生において楽しむことを最も大切にして生きている。どうしてかって、理由はない。ただ、人生はいつも笑顔の方がキラキラしていて素敵に見えるから。つまり、笑顔になるってことは楽しんでるってことだ。だから、僕は楽しむことを大切にしている。
今日もまた、僕は人生を楽しんでいた。
「お疲れ様で~す」
今日のバイトが終わった。
「ちょといいかな」
僕が着替えて帰ろうと思ったら、いきなり店長に呼ばれた。
「やめてほしいんだ」
店長にいきなりそう言われた。やめてほしいか。まあいっか。
「分かりました。今までありがとうございました。楽しかったです」
僕は笑顔で店長にそう言った。
「ごめんな」
店長は申し訳なさそうに、頭を下げた。
しょうがない。この不景気でどこも人では余っているのだ。しかも、ここのコンビニはかなり町はずれにあるので、人もあまり来ない。
「これからどうしようかな~」
僕は少しワクワクしていた。バイトを首になると落ち込む人が多いらしいけど、僕は違った。ワクワクしているのだ。次はどんなバイトをやろうか。どんな人と出会えるだろうか。そんなことを考えるとワクワクしてくるのだ。
僕はスマホで次のバイト先を探していた。
「何か、楽しそうな仕事あるかな~」
画面をスクロールする。一つの仕事が僕の目に入った。
「お、この仕事面白そう」
僕は早速、そのバイト先にメールをして、面接日を決定した。二日後だ。
次の面接日まで何をしようか。とりあえず、家に帰った。
「さて、なにをやろうか。とりあえず寝る」
僕はベッドに横になった。僕は寝る時間も大好きだった。夢を見るのが楽しかった。夢の世界では何でもできた。もちろん怖い夢もあった。だけど、僕はその夢ですら楽しんだ。
三時間くらいして僕は目を覚ました。目を覚ますと外は真っ暗だった。僕は近くのスーパーに行って夜のご飯を買いに行った。
「今日は何を作ろうかな」
僕はスーパーの中で晩御飯の献立を頭の中で組み立てていった。今日の特売品のところを見たり、安売りされている野菜やお肉お魚を見ながら、一つずつ晩御飯の献立を決めていった。晩御飯の材料を買い終えると、自分の家に帰り早速晩御飯を作り始めた。
僕は料理をするのも好きだった。うまくはないけど、楽しいから好きだった。
「今日は僕の好きな食べ物だ~」
僕は一通り、晩御飯を作り終えると、机に並べた。餃子に大根のお味噌しるにサバの味噌煮だった。味噌ばっかり。まあいいか。美味しければそれでいい。楽しければそれでいい。
実際、料理はどれも美味しかった。
「うまくいったな」
ご飯を食べ終えていい気分のままお風呂にも入った。
最近のハマりは音楽を聞きながらお風呂に入ることだった。
僕あ鼻歌を歌いながら上機嫌でお風呂に入っていた。
「明日は何をしようかな~」
明日のことを考えるとワクワクしてきた。明日の自分がどんなことをしているのかを想像するのが好きだった。
お風呂はいつも三十分くらい出る。その後は、牛乳を一杯飲んでデッドのそばに座ってゆったりとした時間を過ごす。ギターを弾いてみたり、本を読んでみたり、とにかくゆったりと自分の好きなことをして過ごす。この時間はただただ楽しむ。何もかも忘れて楽しむ。没頭する。それが、僕の人生を楽しく生きるコツ。たぶんこの時間の僕はずっと笑顔でいると思う。自分が好きなことをしている瞬間は顔がほころぶものだ。
その時間を二時間くらい行うと、僕はベッドに横になり、眠りにつく。
次の日。目を覚ますと、まず窓を開けて外の風を浴びる。今日は快晴だったので、日航も浴びれて気持ちがよかった。ベッドから出ると、とりあえず顔を洗って、朝食の準備をした。僕は朝はご飯はなので、昨日の残り物の大根のお味噌汁と、サバの味噌煮、それに卵焼きを作って食べた。 朝ご飯をしっかり食べれた日はいい日だ。それだけで今日一日が楽しい一日に変わる。元気が出る。
朝ご飯を食べ終えると、天気がいいので散歩をすることにした。僕の人生はいつもこんな感じ、その日の天気や気分で今日一日やることを気まぐれに決める。これも、僕にとって人生を楽しむコツだ。人生なんて、いつも気まぐれなんだからその時の状況を最大限に楽しむことだけ考えてれば糸僕は思っている。
僕は服を着替えて、外へ出た。
「きもちいい~」
僕は思わず伸びをした。とても気持ちがよかった。清々しかった。今日も一に楽しくなるぞ。僕はそんなことを思いながら街中を歩いた。
しばらく歩くと、見慣れた公園に到着した。ここの公園にはよく足を運ぶ。今日は天気がいいので散歩をするには最高の日だった。ニ十分くらい歩いたところで、少し疲れたので、ベンチに座った。
「俺、転校するんだ……」
隣のベンチにいる男の子がそう言っていた。ベンチの距離が近いので隣の席の声は丸聞こえだった。隣のベンチには男の子と女の子が座っていた。女の子の方は泣いているようだった。きっと、男の子のことが好きなんだろうな。その男の子が転校するから泣いているんだろうな。僕はそう思った。
「明美ちゃん。笑顔の秘密って知ってる」
隣のベンチに座っている男の子が興味深いことを言っていた。笑顔の秘密。一体なんだろう。僕は考えた。男の子が話続けた。僕は男の子の話に聞き耳を立てていた。おもしろかった。その男の子が言っていた笑顔の秘密が。僕は知らず知らずのうちにそれを行っていた。
「笑顔は幸せの象徴なんだよ」
僕はビックリした。この男の子と同じ考えだった。同じことを思っていた。その男の子に話しかけてみたかったが、その子は女の子を残して走り去ってしまった。
僕はしばらく残された女の子の様子を見ていた。泣いていた。当然だろう。僕でも悲しくなる。でも、その女の子はしばらくして笑った。その笑顔はとても幸せそうだった。
僕はその笑顔を見ると公園を後にした。時刻は、そろそろ十二時。お昼ご飯はくふぇにでも行こうか。
「そうだ、あそこに行こう」
僕が向かったのは最近のお気に入りのカフェだった。そこのコーヒーが最近のお気に入りだった。自家製のブレンドコーヒーだった。ちょっと苦くて酸っぱい。このくらいの味が最近は好きだった。昔はカフェオレとかばかり飲んでいたけど、今は少し苦いくらいのコーヒーの方が好きだった。それに合わせて、チーズケーキを頼むの。ここのちーずけきは季節のチーズケーキだけで今の季節は春だったので桜のチーズケーキだった。
「美味しい」
初めて食べたときは、どんな味がするのか想像できなかったけど、食べてビックリ、とても美味しかった。ここのカフェにハマってからは、週に数回は来ている。すっかり、店員さんとも顔見知りになった。
「今日も美味しかったです」
「いつもありがとうね」
ここのカフェの店員さんは素敵な笑顔のおばあちゃんだった。いつ見ても幸せそうだなと思っていた。カフェでゆったりとした時間を過ごした後は、近所の図書館に行った。
「何を借りようかな」
僕は週に一冊は本を読むと決めている。今週はどんな本に出会えるだろうか。ワクワクした気持ちを抱えながら本棚を詮索した。
「こんにちは」
顔見知りの司書さんが声をかけてくれた。
「こんにちは」
「今日はどんな本を借りるんだい」
「まだ、探し中です」
「いい本に出会えるといいね」
司書さんは笑顔でそう言うと、自分の持ち場へと帰って行った。
さて、本を探しますか。僕は一時間くらい本棚を見て回った。運命の本に出会うために。
そして、出会った運命の一冊を手に取り、貸出カウンターへと向かった。
「お願いします」
「はい。ありがとうございます。この本にしたんだね」
貸出カウンターにいたのはさっき僕に話しかけてくれた司書さんだった。
「はい。この本にしました。読むのが楽しみです」
僕は笑顔でそう言った。ワクワクしていた。この本からはどんなことが学べるのだろうか。
図書館で本を借りると、晩御飯をスーパーで買って家に帰った。今日は手抜きをすることにした。スーパーで鮭弁当を買って帰った。それを食べてお風呂に入ると、図書館嘉新借りた本を読み始めた。基本的に一週間に一冊と決めているので、読むペースはゆっくりだ。その分じっくりと内容を読み込むことにしている。
本。本の世界が好き。僕の本の読み方は(主に小説)主人公になった気分で、読み進めていく方法だ。主人公のセリフを声に出してみたり、その場面を想像してみたり。とてもワクワクする。自分とは別の自分になっている気分だった。今日も二時間くらいのんびりとした時間を過ごして、眠ることにした。明日は、いよいよ、新しい職場の面接だった。一体どんな人たちに出会えるのだろうか。どんな楽しいことが起きるのだろうか。僕は明日への楽しみを抱きながら、眠った。
面接当日。
「いよいよか~」
僕は朝ご飯をしっかりと食べて面接地へと向かうことにした。
面接地は僕の家からニ十分くらい歩いたところにあった。
「こんにちは~」
お店の店主に挨拶をした。
「今日面接予定の者なんですけど」
「はい。いらっしゃい」
店主は笑顔で僕を迎えてくれた。素敵な人だ。笑顔の素敵な人に共通しているのはキラキラしているということだ。
ここは、店主一人で経営している。小さなカフェだった。お店の大きさはそんなに広くはなかった。
「どうしてバイトを募集してたんですか」
僕は気になってきいてみた。この広さなら、充分一人でもやっていけそうな感じだった。席は全部で十席。カウンターが六席と窓際に席が腰掛ソファーの向かい合った席が二席あった。
「ほんとはね。わたしの夫と一緒にやってたんだけどね。五年前に亡くなってね。今まで私一人でやってきたんだけど、私も歳でね。そろそろ、限界が来てね」
「そうだったんですね。なんか、すみません」
「いいのよ。それで、いつから出れる?」
「え、いつからでも大丈夫ですよ。なんなら、今からでも大丈夫ですよ」
「あら、そう。じゃ、お願いしようかしら」
そんなこんなで、僕はこのお店で働くことになった。「ラーフ」というのがここのカフェの名前だった。これから、新しい生活が始める。今度はどんな人生になるだろうか。僕は楽しみで仕方なかった。どんな選択をするかは人それぞれだ。その選択がいいときもあれば、悪いときもある。だけど僕はどんな選択をしても、楽しめる自信がある。
だって、自分の人生だもの。楽しまないと損だよ。楽しんだもの勝ちが人生でしょ。ほかの誰に命令されるでもなく、すべてを自分で選んで生きていく。例え、それが親であろうと僕の人生を邪魔することはできない。
「よろしくお願いします」
僕は笑顔でそう言って店主に頭を下げた。これから始まる人生(ストーリー)を楽しみにしててください。
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