兵庫県中、ハイキングバイキング。 【きっぷ1枚で日本横断:#24】
日本横断24日目、新大阪駅から。
おはようございます。現在時刻は朝5時50分過ぎ、我ながらよく目が覚めたなと感心してしまうほどの連日早起きです。本日は兵庫県を東西南北駆け巡った後、山陰地方まで抜けていく行程です。観光部分を含めれば、結論から言うと今日が日本横断中でぶっちぎりに体力面で過酷な1日となりました。そんなこととはつゆ知らず、本日も楽しく日本横断を進めていきます。
神戸の街を西へ東へ
神戸の朝に穴場を登る
新大阪駅から乗り込むのは、山陽新幹線の始発列車。ここからは神戸の方に向かうのですが、在来線は1つ隣の大阪駅を昨日通ってしまっていますから、片道乗車券で旅をしている以上そこは通れないので、新幹線で回避していきます。まずは、お隣の新神戸駅に向かいましょう。
大阪から神戸って本当は大して近くないのですが、さすがは新幹線、圧倒的に速くわずか12分で新神戸駅へ到着です。本日は早速こちらで途中下車をします。
神戸といえば港町というイメージですが、新神戸駅はかなり山沿いに建てられており、実は駅の裏手すぐに布引の滝と呼ばれる滝が流れているのです。次の新幹線を待つ間、ハイキングがてら布引の滝を観にいきましょう。
歩き始めてしばらくすると、布引の滝がお目見えしました。新幹線駅の真裏にあるとは思えない、雄大な滝です。これはすごい。
道中ラジオ体操をされている地元シニアの方々と時折すれ違い、「ご苦労さん〜」と声をかけていただきました。20代のくせに息が上がっている自分と比べて、体力面でも気力面でも圧倒的に上回っている感を受け驚きましたが、温かく声をかけてくださったことに感謝です。滝を見終えた後は、もう少しだけハイキングをして展望台から神戸の街を一望してみました。
ものすごい本数の新幹線が行き交う主要駅から徒歩圏内にこんなところがあるとは、兎にも角にも驚きです。元気なうちに、もう少し涼しくなってからまた訪れたいと思います。
港町らしさも再確認
一汗かいたところで駅に戻り、再び新幹線へ乗り込みましょう。
新幹線で1駅、西明石駅まで来たら、在来線に乗り換えて神戸方面に戻っていきます。冷静に考えたらおかしな挙動ですが、冷静に考えた時点で負けなので、粛々と乗り換えを実行していきましょう。
新快速に揺られること15分ほどで、列車は神戸駅に到着です。
神戸駅では快速列車に乗り換え、新快速の停まらない1つ隣の元町駅へ向かいます。この後は神戸港に向かうのですが、市街地を経由して神戸港へ出るには元町駅の方が近いのです。
元町駅に到着したら、神戸港へ向かいがてら未踏のスタバを巡っておくことといたしましょう。
本日から9月ということで、期間限定のフラペチーノがリニューアルしていましたので、早速飲んでみました。外はまだまだ暑過ぎますが、気持ちだけでも秋を味わえるお芋感たっぷりのおいしいフラペチーノでした。芋を楽しんだところで、神戸港へ海を見にいきます。今日は海に山に、大忙しな1日です。
大きな海と山に挟まれて市街地が発達しているのは、神戸ならではの景観だと思います。コンパクトに、でもしっかりといろんな景観や側面を楽しめる神戸はとてもいいところです。
兵庫は神戸だけじゃない
来た道を潜り抜けて山陰へ
元町駅に戻ったら、再び東海道本線で東へ抜けていきます。
1駅隣の三ノ宮駅からは、新快速列車に乗り換えて先を急ぎます。
このまま新快速列車へ乗り続けると大阪や京都まで向かうことになりますが、当然ながらそこまで行けば片道乗車券のルールへ違反してしまいますから、大阪駅の2つ手前、尼崎駅で降りて、分岐している福知山線へ乗り換えていきます。
ここから序盤だけ別行動をしていた高校同期と再会したのですが、それに安心しきったのか、無事車内では爆睡しておりまして、気づいたら宝塚や三田を通り過ぎ、終着の篠山口(ささやまぐち)駅に到着です。
篠山口駅からは引き続き福知山線の普通列車に乗り継ぎ、京都の日本海側にある福知山駅を目指します。尼崎駅からひたすらに北上してきているのですが、いつの間にか京都府へ突入することとなりそうです。
寝ている間にこんなに山奥まで来ていたのか…と少し面食らいつつ、列車は1時間ほどかけて終着の福知山駅に到着です。ここからは先ほど合流した高校同期と再度別行動を取り、山陰本線の特急列車へ少しだけ乗車し、先を急ぎます。
特急は30分ほど山間部を駆け抜けると、次の停車駅である和田山駅に到着しましたので、こちらで途中下車をします。
難攻不落な天空の城へ
さて、なぜ特急列車を使ってまで行程を急いだかというと、和田山駅での接続を良くしてお隣の竹田駅からアクセスできる竹田城跡に行きたかったからです。竹田城跡は、雲海に浮かぶ天空の城として一躍有名になったお城で、小高い山の上に建てられた景観の優れたお城です。
駅からかなり距離があるので、竹田城跡へはバスに乗って行こうと思っていたのですが、先ほど調べたところによればなんと本日バスは運休しているとのこと。果たして行くべきか結構悩みましたが、ここまで来たら後には引けませんから、徒歩で山を登ることを決意しました。そうと決まれば、和田山駅で少しだけ栄養を補給して、まずはお隣の竹田駅へ向かいましょう。
列車は7分ほど走り、お隣の竹田駅へ到着です。
駅に着いてから、駅舎併設の観光案内所で一縷の望みにかけて念のため情報を確認したのですが、結果はこちら。
運休の理由が人手不足ということでしたので、ふらっと来た観光客としてはもはや何もいえませんね。観光案内所で道案内をしてくださるだけでもありがたいと思わなければならないのでしょう。地方の観光産業の難しさを垣間見ました。というわけで、本日2度目のハイキング、というより登山が決定しましたので、さっさと歩き出して天空の城を目指しましょう。
雲の隙間から日差しが照りつける中、滝汗をかきながら息も絶え絶えに山道をひたすら進んでいきます。このクソ暑いときにわざわざ登山をする観光客はいないのでしょう、道中誰にも会うことなく、色々不安な思考が脳内を駆け巡りながらの登山になりました。1度ガッツリ休憩してしまったらもう動く気が失せる自信があったので、水分補給はしつつ一切休憩なく進んでいきます。その甲斐あってか、本来40分ほどかかる山道ですが、25分ほどで無事登りきることができました。いやはや、山登り経験の浅い僕にとってはめちゃくちゃ過酷でしたね。6泊分の荷物背負って連日の寝不足を積み重ねた後に登る場所では流石になかったです。汗かきすぎて、頂上手前のチケット売り場の方がちょっと引いてました。とはいえ、ずぶ濡れの僕にも「ゆっくり、休んでからでええからね〜」と声をかけてくださった訳ですから、本当にありがたいことです。
入城券を手に入れたら、まずは展望のきく場所へ向かいます。そこで待っていたのは、丹波地域の圧倒的なパノラマでした。
景色の素晴らしさはもちろんですが、何より印象的だったのは、竹田城跡を吹き抜ける風の気持ちよさ。しっかり持っていないとチケットが吹き飛ばされそうなほどの強風でしたが、汗を流した後の自分にはピッタリのロケーションで、あれほど爽やかな経験をしたことは未だかつてなかっただろう、と思わされるほどでした。この後も、竹田城跡の史跡を巡りながら、雄大なパノラマと爽やかすぎる風を全身に感じていました。
ものすごいロケーションに、とんでもない建造物のギャップがとても面白い史跡です。まさに天空の城と呼ぶに相応しい場所だなと改めて感じます。次は雲海の時期に、あとちゃんとバスとかタクシーが使える時にまた訪れようと決意をして、竹田城跡を後にし下山を開始します。
さて、思ったよりもさっさと山の登り降りが終わってしまいましたので、麓の観光案内所でしばし休息を取ることにしました。冷えた水がありめすよ、とのことで購入したのですが、これほど美味い水があるか、と驚愕するレベルで水が美味しかったです。まあ大汗かいてますからそれはそうなのですが、日本横断中に相応しい良い経験が出来たと感じます。
高嶺の城を遠目に見ながら
冷たい水でしっかりと回復したところで、竹田駅からは特急列車へ乗り込み、少し先を急ぎます。ここで急いでおかないとこの後の接続がカッツカツになってしまうので、多少の出費は致し方ありません。
快適な車内で道中は正直眠くて仕方なかったのですが、この特急列車で寝過ごすと笑えないレベルの大惨事が発生してしまうので、全力で眠気と闘っていました。大学の司書課程の科目の授業中とやってることは本質的に同じですね。30分ほど眠気に耐えたら、特急降りる予定の寺前駅に到着です。ここまで来ると、眠気のMaxピークはやり過ごせていました。
寺前駅からは普通列車がそれなりな本数走っていますから、ここからは普通列車で終着の姫路駅を目指していきます。実は、和田山駅から日本横断の行程は播但線という路線に入っており、午前中北上してきた兵庫県を別ルートでひたすら南下してきていたのです。ここからは一気に太平洋側まで抜けていきます。
平日ということで、中高生の利用が結構あった印象ですね。列車は45分ほどかけ、終着の姫路駅へ到着です。
さて、姫路まで来た訳ですから姫路城観光、といきたいところですが、実はそうもいきません。なんと言っても、今はまだ山登りで汗だくの状態から風で無理やり乾かしただけ。近くにいたら正直不快な状態になってしまっていることに変わりはないのです。流石にこのままの姿でこの先の行程を進める訳にはいきませんし、何より身体中ベタベタで不快なことこの上ないので、駅前のネットカフェで速攻シャワーを浴び、高校同期宅で洗濯させてもらった予備のシャツへ着替えることにしました。ネットカフェ泊で培ったテキパキ行動を活かし、さっさとシャワーを済ませます。
シャワーでようやくさっぱりしたところで、駅に戻って日本横断の行程を再開していきます。とその前に、和田山駅で食べたドーナツ以来何も口にできていませんので、姫路駅のえきそばで腹ごしらえといたしましょう。
実はこちらの駅そば、普通のそばとは一味違くて、そばはそばでも中華そばを使っているのです。和風出汁で食べる中華そばはなんだか新鮮な感覚ですが、ある意味クセになる美味しさです。
寝床へ行くのも一苦労
ひたすらに乗り継ぎを重ねる
腹ごしらえを済ましたところで、今度こそ日本横断の行程へ復帰します。姫路駅から乗り込むのは、姫新線の普通列車。ここからは姫新線と因美線という2つのローカル線を利用し、和田山駅で別れた高校同期と再合流しながら本日の宿をとっている鳥取駅を目指していきます。今日1日かけて山陰と山陽とを散々往復していますが、ご想像の通りこれがなかなか大変でして、しかもここからの行程がまたとてつもなく長いのです。普通列車でじっくりと中国山地を超えていきましょう。
ここからの姫新線ですが、通勤通学のお客さんで想像以上に混み合ってまして、全然写真が撮れませんでした。旅行者が乗ることの少ないローカル線ですから、まあ致し方ありません。
終着の播磨新宮駅では、ホームの反対側に停まっていた列車に乗り換えて引き続き姫新線を進んでいきます。
30分ほど揺られたら、終着の佐用(さよ)駅で再びホームの反対側へ停まっていた列車にお乗り換えです。
正直ここからは車窓がほぼ0なので、ウトウトするか同行人の高校同期と談笑するかくらいしかやることがありません。写真を撮ろうにも灯りがほとんどありませんし、スマホを見ようにも電波はほとんど繋がらないのです。凄いところに来てしまったなあと思いながらも、列車は佐用駅から1時間ほどで東津山駅に到着しました。
あまりに遠かった寝床
本日は東津山駅で一旦下車し、この駅から分岐する因美線へ乗り換えていきます。ちなみに1駅先の津山駅には、明日の昼頃に戻って来られる予定です。破茶滅茶が過ぎますが、これも今に始まった話ではないので気にせず先を急ぎましょう。
闇夜を走る普通列車に揺られるほど1時間、列車は終着の智頭駅に到着です。姫路駅からかれこれ3時間近く普通列車に揺られ続けていますが、まだ鳥取駅に着かないのか…とこの辺りで結構気が遠くなってきましたね。
智頭駅では25分ほど接続時間がありましたので、駅周辺を少しだけ散策してみることにしましたが、真っ暗でほぼ何も見えませんでした。
ここからいよいよ本日最後の列車へ乗り込み、宿を取っている鳥取駅を目指しましょう。
姫路駅からの道のり、途中から車窓がなくなったことも相俟ってやはり長かったですね。45分ほど闇夜を走り、とうとう終着の鳥取駅へ到着です。というわけで、本日の日本横断の行程はここまで。
今日は相変わらずの大移動も去ることながら、とにかく歩いて登って脚を酷使した1日になりました。日本横断の後半で実行するには少々過酷すぎた感が否めませんが、自らの足で歩を進めたからこそ見られた景色もたくさんあった1日でした。計画段階の自分を恨みたくなるほどに明日もまさかの早起きですから、さっさとシャワーを浴びて泥のように眠りたいと思います。あ、目覚ましくらいはちゃんとかけて寝ることにします。そろそろ寝坊しない自信は底をついてきたのでね。
それでは、おやすみなさい。