創業から上場まで支えたVCとの出会い|M&A BANK Vol.199
最初からイグジットを意識していた、まさかの理由
島袋
上場する過程でたぶんいろいろな苦しいことだったり辛いことがあったと思うんですが、どうでしたか?起業して、ソーシャルリクリーティング事業をやって、そこからメディアに事業転換する時に、上場の準備に入るんですよね。
春日
そうですね、究極的には創業した時から上場は意識していました。
会社を創業した時にベンチャーキャピタルから出資をいただいていたので、イグジットは(意識していました)。
島袋
それってソーシャルリクルーティング事業に対してエクイティを入れていただいた感じじゃないですか。事業転換するときはどう説明したんですか?
春日
創業した時のVCの方にはもちろん、自分達がやりたいこと、世の中に与えたい価値はこういうところにあると話していたので、「事業に出資していただいた」という感じではなく、どちらかというと本当に会社に対してとか、
島袋
春日さんにとか。
春日
そうですね、個人に対してとか、そういう点で出資していただいていたものだと私は思っています。
島袋
なるほど。
春日
と言いますのも、本当に学生で起業するときに後押ししてくださったVCは――サムライインキュベートというベンチャーキャピタルなんですけども――私が元々就職する予定で「サムライインキュベートが出資してる会社に就職させてくれないか」ということで問い合わせをしたのがきっかけで繋がりができたんです。
そうしたら「いや、就職じゃなくて起業だよ」と言われて起業することになって。そういう意味では背中を押していただいた感じなんです。
島袋
サムライさんすごいですね、それで実際上場まで行ってるわけじゃないですか。
春日
一気に巻き込まれましたよね。
島袋
いや~素晴らしい巻き込み事故。
いや、事故じゃないか。
春日
当時本当にもう20社くらいに履歴書を――学生時代なんで履歴書の内容ないんですけど――バーっと送って、出資してる会社に就職させてくれって言ったんです。
それでサムライインキュベートだけ返してくれたんですよ。
島袋
そうなんですか。他はスパムと間違えられたんじゃ。
春日
なかなか学生が問い合わせしないですからね。
島袋
いやすごいな春日さん。
ちょっと後悔してること
島袋
ちなみに、もう一度やり直せるならどの辺をやり直します?もう1回上場するってなった場合。
春日
いわゆる事業投資のノウハウといったものがなかったので、結局かれこれ、もうエクイティファイナンス・デットファイナンス合わせて20億くらい調達して、ガンガン投資して事業を作ってきているんです。
今でももちろんそれが回収できる見込みで上場させていますけど、とはいえこの5・6年間くらいかなり事業投資して、4期連続で赤字でしたので、ここの使い方はもうちょっと計画的にできたところもあったのかなと。
島袋
4期連続赤字のときのモチベーションってどんな感じだったんですか?
春日
どうなんでしょうね、もう正直、鈍感力ですよね。
島袋
おおっと、名言出ましたよ。
春日
たとえば去年の業績は営業利益で5億円ちょっとでしたけど、そうすると月間で4千万・5千万とかプラスが出てくるわけじゃないですか。
それが逆転している状況で、結局マイナス3千万くらい出してたんです。
そんなの今じゃできないなって思うくらい。当時は鈍感でしたよね。
前の3千万に対してドキドキ感すらなかったんじゃないかなって正直思っちゃってます。
結果的には良かったのかもしれないですが。
島袋
なるほどね、多少のことでビビんなと。
春日
そういうことですかね
島袋
すげぇな、懐深いな。
それに、上場はマザーズと福岡Q-Boardに同時上場されたんですよね。
春日
そうです。
宮崎県日南市にオフィスを置いていて、九州圏でけっこうお仕事が多いのでそれに関連して、九州圏にも貢献していこうとというひとつの狙いで、福岡に上場させていただきました。
島袋
そうなんですね。
残念ながらまたお時間になってしまいましたので、続きはまた次回伺います。
IPO準備のお話などを詳しくうかがっていきますので、次回もぜひまたM&A BANKでお会いしましょう。
出演者情報
■春日博文:ポート株式会社-代表取締役CEO
1988年埼玉県生まれ。在学中に新卒採用支援業やプロモーション支援を個人事業主として開始。2011年、大学卒業と同時にソーシャルリクルーティング(現:ポート株式会社)を創業。2018年東証マザーズ上場。人材、金融、医療領域でビジネスを展開する。
キャリア領域:キャリアパーク/就活の未来
ファイナンス領域:マネットカードローン/マネットFX/ミツカル保険
メディカル領域:オンラインクリニック
リーガル領域:債務整理の森/交通事故示談交渉の森
「ポート、4期連続赤字から大幅な黒字転換に成功 現預金は前期末比⁺279%」
■島袋直樹:IdeaLink株式会社-代表取締役
シリアルアントレプレナー。26歳でインターネット広告代理店を創業、年商20億円規模に成長させる。2016年に同社を分社化し、インターネットメディア運営を主体とするIdeaLink株式会社を創業。2017年12月、自社メディア5媒体を上場企業に事業譲渡。「事業は創って売る」をモットーとする。「会社は伸びてるときに売りなさい。」の著者。
順次更新、春日さん出演動画の一気見はこちらから
(M&A BANK YouTubeチャンネル)
<Sponsored by>
株式会社識学
定額でM&Aの相談ができる、セカンドオピニオンサービス
※アドバイザーのご紹介も可能
その他ご相談、お問合せ