冷んやりと11月に触れる
自分の手足が冷たいと感じる季節になった。冷たいまま何かに触れると、心までその冷たさに侵食されていくような感覚になる。それらを温めるためには、一体何から手を付ければ良いのかわからなくなり、辛いものでも食べてみて誤魔化してみるんだ。そうすると、瞬間的にお湯が沸いたように熱さを感じることができる。じゃあそのほてった身体の奥底にある心という物体はどうやって温めようか。
心にほら、スポットライトを当ててみて、そうすると、12月という終わりを迎えることに焦っていたり、1年の思い出という波がだんだんと押し寄せてきて潰れてしまいそうになっていたり。
冷え込んだその手で、11月に触れてみると、まず初めに後悔が押し寄せてくるかもしれない。できなかったことばかりを思い出し、そして、今できていないことを引っ張り出し、眉間に皺を寄せて、グッと冷たい風を飲み込んだりして。
忙しない年始から始まり、様々な季節を踏み超えてきた私たち。何も恐れることなどないのだ。何も自分を卑下する必要などなく、また、こんなふうになりたいのだと夢を語ればいいし、なりたい自分になっていけばいいのだ。
そんな時、君の頭の中にはどんなドラマが流れるのだろう。
君を否定してきた大人が壁のように立ち憚っているだろうか。
君を嘲笑った人間が遠くからまた視線を送っているだろうか。
はたまた、君のことを唯一応援してくれた人間だけを思い出し、歩みだそうとしているだろうか。
1年という単位の重さを感じたら、今という時間を見つめればいい。
12月は、今年の自分について反省する前に、来年の抱負を語る前に、今の自分を抱きしめてあげようね。
十二分にご自愛を。
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