たくさんの方に僕の小説を読んでいただき、心から感謝いたします。 僕は、昔から文章を書く事が好きで、おまけに多考性だったので、いつでも何かしら書き、何かしら物語を考えていました。 大学の頃、僕のレポートを読み、 「君、物書きにならないか?」 と言われましたが、 「はい、なります。」 でなれる職業でないと思い、何となく言葉を濁してその場を去りました。 何だかリアルで無かったんですよね、僕が文章を書く事を生業にしている姿が。現実とはかけ離れていて。 それに、僕は外で働きたかった。
私のクラスには、いけ好かない子が居る。 同い年なのにクラスメイトにも常に敬語。 スラッとした容姿に、サラサラなロングヘアー。 誰からも目を惹く存在なのに、それを全く鼻にかけない。 いろんな子から声をかけられるのに、誰とも群れない。 (優等生ぶって何様?) 「重そうだから、手伝いましょうか?」 「牧村さん。ありがとう。助かる。」 クラス全員が提出したノートを、教務室に運んでいた子の手伝いをする彼女。 (良い子ぶってさぁ〜) 「ねぇ、華。何さっきから怖い顔してるの?」 「んあ?別
2人は、黙ったまま公園のベンチに座って居た。 制服の左胸には、赤い花。足元の鞄の中には卒業証書。 ソメイヨシノの花びらが、時折吹く風に舞う。 何かを話そうとしては黙り込むを繰り返す2人。 言葉にしてしまうと、全てが消えてしまいそうで怖かった。 入学式 真新しい制服に身を包み、皆、希望に満ちた瞳をしていた。 壇上では、新入生代表が入学の挨拶をしていた。 隣に座るヤツがこっそり俺に言った。 「あの代表の子、親が武元商事の社長なんだって。だから新入生代表になったらしいぜ。」 ふぅ
私がこの世に生を成したのは秋。 昼の暑さが衰え、夜には心地よい風が吹く頃だった。 時は、日付をまたいで間もなく。 ものっすごい難産の末、やっと私は姿を現したが仮死産だった。 薄紫の肌をした、声も発しない、微動だにしない塊。 母親は、辛うじて意識が有る程度の状態。 両者待った無しの緊急事態だった。 通常なら、手を尽くしたが母親が息絶えてしまうか、あらゆる処置の甲斐なく私が呼吸も知らずに旅立つ、あるいは助かったとしても脳に障害を負う所だが、夜勤の産科医の他に、カルテ書きでたま
僕は、物心ついた頃から、母親の顔色を伺って生きていた。 母親の機嫌が悪い時は、小さな僕の身体がぶっ飛ぶくらい殴られた。 母親はぶっ飛んだ僕の胸ぐらを掴み僕を起こすと、何発も殴り蹴り上げた。 機嫌が悪い理由は、当然僕では無い。 僕の父親の稼ぎが悪い事や、近所での母親への噂話。 抵抗すればもっと殴られると思った僕は、母親の気が済むまで殴られ、口汚く罵られた。 これが普通の家庭だと思っていた。 成長と共に殴られる回数は減っていったが、何かと罵られる事が逆に増えていった。 僕は
「友達がアイドルってどんな感じ?」 この質問、何回聞かされただろう? 「別に普通だよ。」 テンプレみたいに答える聡美。 瑠璃とは幼なじみで、家族ぐるみで交流があった。 バーベキューやお花見、温泉旅行など、どっちがどっちの家の子か分かんなくなるくらい仲良しだった。 瑠璃は可愛らしい女の子で、小学校の頃はよく男子にイジワルされていたが、その男子をぶっ飛ばしていたのが聡美だった。 中学に上がると、瑠璃の可愛さはレベルアップし、イジワルしていた男子共が手のひらを返したように好き
絢音と友理奈は電車に乗っていた。 期末試験の最終日、いつもとは違う時間だから電車は空いていた。 2人並んで座席に座り、試験の事を話していた。 「英語がラストとかあり得ないよね!」 「いつも前半なのにね。問題間に合わなかったのかな?」 「佐久間め!あたしの睡眠時間を返せ!」 「絢音完徹?」 「ピンポーン!英単と戦ってた!」 「あちゃー!」 始めは2人で話していたのだが、完徹の影響か絢音は寝てしまった。 友理奈はスマホを出し操作し始めた。 絢音と友理奈は、高校の同級生。 入
2月20日 東京ビッグサイト東4・5・6ホールにて 『COMITIA139』 スペースNo き05 にて、出展します! 久しく投稿していなかったので、忘れちゃった方も、覚えてるよって方も、ご都合がよろしければ遊びにいらしてください。 お待ちいたしております。
私の名前は星野唯歌。高校1年生。 見た目はどこにでも居る普通の高校生。だけど、私には欠落している部分が有る。 それは、 他者とコミュニケーションがとれない。つまり、家族以外とお喋りが出来ない。 小学生の時両親に病院へ連れて行かされると、「選択性緘黙」と診断された。 家の中や家族となら話せるが、学校やクラスメイト、家の外で家族が居ない場所では過度の緊張により話せなくなるらしい。 「カウンセリングや集団訓練で改善は見込めるし、場合によっては自然に馴染む事もありますから、そんなに
ベッドの頭の部分にもたれて居る頼に、博美はバックハグされ、お互いの舌を絡めあっている。 その間も頼は博美の1番感じる部分を、ゆっくり優しく撫で回す。 博美は、我慢せずに声を漏らす。 「頼、イキそう・・・・」 「もお?まだダメだよ。我慢しな。」 「え・・無理よ・・・・・」 「旦那ともしたんでしょ?お仕置き。」 「だって、それは向こうが・・・」 「じゃあ、ここで止めるよ?」 「・・・いじわる。」 でも、焦らされるのも興奮する。 頼は、巧みに1番感じる部分を攻め立てる。狂ってしまい
大学の入学式。 帆波は看護士を目指し、この大学を選んだ。医療系に強い大学だからだ。 見慣れない講堂に、ズラリと並ぶ新入生。 どこかの病院で同期として働くかも知れない仲間たち。 帆波は希望に満ち溢れていた。 入学して1週間、同じ科の子から聞いた。 「宗田 類には気を付けろ」 どういう事か聞いたら、なんでも女をとっかえひっかえしている人らしい。 帆波は、 (男にも女にもそういう人は一定数居るんだな) くらいにしか考えていなかった。 帆波は授業の合間、自分のロッカーで次の授
2021.11.13~14開催の 『デザインフェスタvol.54』 出展ブースが決まりました! 出展名.百合じゃね! ブースNo.G-279 です! 未発表作有ります! 未発表作に関しては、「note」でも「pixiv」でも、今後も発表しない予定です。 皆様の御越しをお待ちしています!
2021.11.23【第33回文学フリマ東京】出展と共に、 2021.11.13~14【デザインフェスタvol54】の出展が決まりました! 既に発表している作品の他に、書き下ろし作品も有ります。 良かったら足を運んでいただけると幸いです。
真央は恋をしていた。 憧れではなく『恋』。 その人の名は架純さん。 同じ大学の1学年上の素敵な人。 そして、 莉子は結愛の友達で、架純さんの恋人。 「真央、聞いてよ!架純ったら、莉子がラインしても返事来ないし、来てもスッゴい遅いの!酷いと思わない?」 「何か予定が有ったんじゃないの?」 「莉子よりも重要な用事って何よっ!」 「私は架純さんじゃないから分からないよ。」 「何か最近莉子の事おざなりなのよね!前はすぐに連絡くれたのに!」 「専門課程も増えるし、大変なんじゃない?」
「ねえ万理華、進路志望書いた?」 「うん、私は亀大に行く!」 「万理華、頭良いもんなぁ~」 「そんなこと無いよ。行きたい学科があるだけ。」 「私はこのまま上がるわ。やりたい事とか無いし。」 私は、2年の時から亀大に行きたかった。 1年の夏、 下校中に、万理華は突然の雨に降られた。 小雨なら走って駅まで行っちゃうが、あいにくのザーザー降り。 1人雨宿りをしていたが、やむ所か小降りになる気配も無い。 (一か八かで走るか。あそこの信号のタイミングだな、、、) 「ねえ、どこまで行
ある日、萌が学校に来なかった。 (風邪でもひいたのかな?) 美紅は、そんな程度に考えていた。 萌が登校しなくなって1週間。さすがに美紅もおかしいと思い始めた。 『どうしたの?何かあったの?』 美紅から萌にラインした。 既読にすらならない。 美紅は学校の帰りに、遠回りだが萌の家へ行った。 呼び鈴には、萌のお母さんが出た。 「南高校で1年の時同じクラスだった菊池美紅と申します。萌さんがずっと休んでるので、伺いました。」 と美紅が言うと、萌の母は困った顔をした。 ひとまず美紅を家