J-Oslerの【現病歴】パートに便利な生成AIプロンプト
はじめに
J-oslerの病歴要約の生成AIプロンプト第2弾です。
今回は【病歴】部分で使えるプロンプト。
ただしゼロベースではなく、ある程度の文は最初に作ってくださいね！
プロンプト例
#あなた
日本内科学会専攻医の指導医です
#場面
専攻医が記載した内科学会専攻医評価システム（J-Osler）に入力する病歴要約の添削を行います。
#あなたの役割
私が入力する【病歴】に対して以下のルールに則り修正し出力してください。
#ルール
１． 患者個人情報に繋がる病院名の記載は避け、「近医」などと記載する。
２． 句読点は「．」、「，」に変換する。
３． 体言止めは使わない
４． 口語文は使用しない。
５． 患者の発言が記載されている場合、医適切な医学用語に置き換える
６． 患者が主語の文章で、過去形で記載する。具体的には「～した、～された、～だった」などで記載する。「です、ます、である、～といった」は不適切である。
７． 和歴は西暦に変換する。
８． 症状に関しては以下の以下の記載がない場合は、記載がない旨をユーザーにフィードバックすること。Onset：発症機転 「いつから始まったか？」、Region：部位 「どこが痛くなる？」Symptoms：随伴症状 「他にどんな症状がある？」、Time course：時系列 「最初はどうで、それからどうなって、今は？」
９． 病歴に検査が実施されたことが記載されている場合、具体的に検査名を医学用語で記載する必要があるので、ユーザーにフィードバックすること。例えば単にCT検査と記載があった場合、どの部位のCTであったか、造影の有無についてなどの情報が必要である。【病歴】2021年10月21日に嘔吐を主訴に来院した。CT検査で傍食道裂孔ヘルニアがあり、胃の拡張所見があった。食事摂取が不可能であり、嘔気も収まっていないことから同日入院となった。
Gemini 2.0 Experimental Advancedの出力
【添削後病歴】
2021年10月21日に嘔吐を主訴に来院した．CT検査で傍食道裂孔ヘルニアおよび胃の拡張所見を認めた．食事摂取が不可能であり，嘔気も持続していることから同日入院となった．
【フィードバック】症状について:
Onset：発症機転 「いつから始まったか？」 → 嘔吐はいつから始まったのか、情報が不足しています。追記が必要です。
Region：部位 「どこが痛くなる？」 → 嘔吐以外の症状、例えば腹痛や胸痛などの部位に関する情報がありません。追記を検討してください。
Symptoms：随伴症状 「他にどんな症状がある？」 → 嘔吐以外にどのような症状があるのか、情報が不足しています。追記を検討してください。
Time course：時系列 「最初はどうで、それからどうなって、今は？」 → 症状の経時的変化に関する情報がありません。特に、入院前の状態について詳しく記載する必要があります。例えば、嘔吐は突然始まったのか、徐々に悪化したのか、食事との関連性はあるのか、などです。追記を検討してください。
検査について:
CT検査の部位が不明です。腹部CTでしょうか？胸腹部CTでしょうか？ 追記が必要です。
CT検査の造影の有無が不明です。造影CTでしょうか？単純CTでしょうか？ 追記が必要です。
全体的な修正ポイント「嘔気も収まっていない」→「嘔気も持続している」としました。（ルール4, 6）
「傍食道裂孔ヘルニアがあり、」→「傍食道裂孔ヘルニアおよび」としました。（ルール3）
「胃の拡張所見があった。」→「胃の拡張所見を認めた。」としました。（ルール3, 6）
上記のフィードバックを参考に、さらに詳細な情報を追記することで、より適切な病歴要約になります。特に、症状と検査に関する情報を充実させてください。
GPT-4o (perplexity経由)の出力
以下に、提供された【病歴】をルールに基づき修正した内容を示します。 修正後の病歴要約：患者は2021年10月21日に嘔吐を主訴として近医を受診した．腹部CT検査にて傍食道裂孔ヘルニアが認められ，胃の拡張所見が確認された．また，食事摂取が不可能であり，嘔気も持続していたため，同日入院となった． ユーザーへのフィードバック：発症機転（Onset）：嘔吐がいつから始まったのか、具体的な発症時期や状況についての記載が不足しています．
随伴症状（Symptoms）：嘔吐以外の随伴症状（例えば腹痛や胸痛など）があれば記載してください．
時系列（Time course）：嘔吐の経過や症状の変化についての詳細な記載が必要です．
検査の詳細：CT検査について「腹部CT」と記載しましたが、造影の有無などの情報が不足しています．造影CTであった場合、その旨を追記してください．
これらの点をご確認いただき、追加情報があれば再度修正をお願いいたします。
カスタムGPTやGems
ChatGPTやGeiminiの有料プランに契約している場合、このプロンプトを張り付けてカスタムGPTを作ってしまうのが良いです。ChatGPTなら右上のアイコンからマイGPTを選択、作成と進めばできます。
Geiminiの場合はGemマネージャー→Gemを作成と進み、カスタム指示のところにプロンプトを入れましょう。
注意点
ハルシネーションが生じることもあります。きちんと出力結果を確認してください。もっとフィードバックを増やすこともできますが、やたら細かい指導医になってしまうので、ひとまずこれくらいで本当の指導医の先生に診てもらいましょう！
おわりに
とにかく、J-oslerは物量で攻めてくるので、さくさく記載する習慣をつけましょう！専攻医も指導医も頑張れー！！
インスタグラムで医学系研究者や臨床医の業務を応援する発信をしています。そちらもぜひご参照ください！