【ダンス評】 モノクロームサーカス『TROPE』、『P_O_O_L』他
京都のダンスカンパニー、モノクロームサーカス(MonochromeCircus)。2013年の公演なのだが、『TROPE』を不意に思い出すことがある。それは、日常の道具の意味について。道具はそれ自体としてあるのではなく、わたしたち使用者との関係で予め意味が付与されており……たとえば椅子は腰掛けるための道具、ハンマーは打ちつけるための道具……わたしたちの存在なくして、道具に意味はない。それは道具に限ったことではないだろう。近代(そして現代)の人間中心主義の世界においては、人間と