【エッセイ】 川上三映子『すべて真夜中の恋人たちを』 触れる文学
部屋が本で片付かない。もちろん部屋を片づけることはできるのだが、本が床を占有しはじめ、部屋が片づかない。部屋は片づくのだが、部屋が本で片づかないのである。
中古家具屋さんに安い本棚を見つけてほしいと頼んでいるのだが、わたしの希望サイズの中古本棚を見つけるには2・3ヵ月かかりますよと言われた。あれから何ヵ月経過したのだろう。2ヵ月になるだろうか。まだ3ヵ月にはなっていないけれど、そろそろ本棚がほしい。「本棚が手に入れば部屋はすっきりと片づくよ。」そんなふうに言い聞かせる。わたし