【映画評】 ジョエル・カルメット&オリヴィエ・バウアー『ことばの風』を想う
日本人にとり、ニコラ・ブーヴィエは『日本の原像を求めて』(原題)Chronique japonaise(1975刊、邦訳1994草思社刊)の著者としてよく知られたスイス人の作家、写真家である。
彼は24歳のとき、友人である画家のティエリーと行き当たりばったりの旅にでた。それも愛車であるフィアットに乗り、ジュネーブから日本に向け、陸路、ひたすら東へと向かう旅であった。
これをフィルムに収めれば壮大なロードムービーになったのに。
ジョエル・カルメット&オリヴィエ・バウアーがニ