ポツポツポチャン④
「わかったー」
ニコちゃんは、かさを両手で持って、ななめにさしました。そこへ、セキレイが入っていきます。
「そうじゃないわよ。かさはまっすぐ持たないと、しずくがたれてきちゃうでしょ!」
セキレイは言いました。
「こう?」
ニコちゃんはかさを上にまっすぐあげました。
「もーだから違うってば! もっと下よ!」
「ふぎゃー!!!!」
家の中から、赤ちゃんの泣き声が聞こえます。
「あ、テクくんだ。いかなくっちゃ」
ニコちゃんはそう言って、まどから家の中へいそいで入っていきました。
「あ、ちょっと待って! 私、ぬれちゃうわ!」
セキレイがニコちゃんを追いかけようとすると、後ろから音がします。
「ハッハッハッハッ」
後ろをふりかえると、犬がのぞいていました。