![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/13898097/rectangle_large_type_2_d82d9d67a1bee8ce9ca0c1ef884ef953.jpg?width=1200)
ちがうの!⑦
「ぽいっ!ぽいぽいぽいぽいぽい!」
ニコちゃんは、おもちゃのやさいを箱から出してほおりなげました。
「ニコちゃん! なんでそんなことするの! なげたらだめでしょ!」
コトちゃんはおこりました。
「うぇーん」
ニコちゃんは泣きはじめます。
「いいよ。ちょっとだけだよ」
みはやちゃんは、ぬいぐるみをニコちゃんにわたしました。
「みはやちゃん、いいの? ありがとう。ニコちゃんもありがとうって言って?」
「うぇーん」
ニコちゃんは泣いたまま、ぬいぐるみをだっこしました。みはやちゃんは、絵本を読みはじめます。
ニコちゃんは、鼻水をうででふいて、ぬいぐるみをゆかにおきました。
「もーまたこんなにちらかしてぇ~、ガムテープとマジック持ってきてくれる?」
みはやちゃんのぬいぐるみが言うと、ニコちゃんは笑顔で言って、台所へ走っていきました。
「ちょっとまってねー! ことちゃんことちゃん、ガムとマックー! 」
みはやちゃんのぬいぐるみは、箱にぽいぽいおもちゃを片づけていきます。みはやちゃんは、絵本をおいて、じーっとみていました。ニコちゃんが戻ってきて言います。
「ねーねーないんだって、ガムとマック!」
「ガムとマック? そーじゃなくて、ガムテープとマジックだって。もういいよ。ここにシールはっとくね」
みはやちゃんのぬいぐるみは 、てきぱき動きます。
「すごぉーい! きれいねー」
ニコちゃんはパチパチ手をたたきました。