ポツポツポチャン③
「なにするのよー! わたしの大事な、まつげがぬれちゃうじゃない!」
セキレイが言いました。ニコちゃんは目をかがやかせます。
「かわいいねー」
「もー! わたしの話聞いてる!? だいたいねー、なんで雨ふりに遊んでるのよ!」
セキレイが怒って言うと、ニコちゃんは足をふみならします。
「雨、たのしいよー」
「あーもう! やめてってば! 雨なんかだいっきらい! ぬれるし、びしょびしょになるし、ぐちゃぐちゃになるのよ!? はぁー、早くやまないかしら」
するとニコちゃんは、かさをさしだしました。
「あげるー」
「あら、ほんと? だけどわたしには大きすぎてさせないわ。あなたさしてくれる? ちゃんとさすのよ?いい? 下よ? 下の方に持ってきてよ? じゃないとぬれちゃうんだからね? しかも、そーっと歩くのよ? 水がはねるからね。わかった? 」