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もったいないのおばけさん③
「すごーい」
『パチパチパチパチ』
ニコちゃんは手をたたきました。
「あれ? ニコちゃん食べられたの? すごいねー」
お皿のピーマンがなくなっているので、コトちゃんは手をたたきました。
『パチパチパチパチ』
「え? ほんと? すごいじゃない!」
台所にいたニコちゃんのお母さんも手をたたきます。
「あれ? どこいったのかな?」
ニコちゃんはテーブルの下をキョロキョロさがしました。
「なにさがしてるの? 」
コトちゃんはききます。
「もったいないさん」
「たべたじゃない。ニコちゃんがたべたんでしょ?」
コトちゃんはお皿の中をゆびさします。
「ちがうよぉー。もったいないさんだよぉー」
「なに、もったいないさんって」
「ここにいたのぉー!!」
ニコちゃんはドンドン床をふみならしました。
「ニコちゃん、ニコちゃん、これたべよっか」
ニコちゃんのお母さんはピカピカのまっかなイチゴをもってきました。
「たべるー」
ニコちゃんはニカッと笑って、いすにすわりました。
「おいしそうねー」
ニコちゃんはイチゴをぱくっとたべます。
「おいしいねー」
ニコちゃんはまたイチゴをぱくっとたべます。
「ねぇ、もったいないさんってだれ?」
コトちゃんがききました。
「んーとねー、もったいないんだよー」
ニコちゃんはまたまたイチゴをぱくっとたべました。すると、お皿のそばでキラリと光りました。
「あー、もったいないさんだねー」
「よんだ?」
もったいないさんはそう言うと、つるつるっとテーブルの上をすべって、お皿の中に入っていきます。
「あ、だめー!!」
ニコちゃんが大きなこえでさけんだときには、もうお皿の上は、きれいさっぱりピカピカになっていました。
「いやーーーーー
うわぁーーーーーーーーーん!!」
ニコちゃんは大きなつぶのなみだをこぼして、大きなこえで泣きました。
すると、コトちゃんは自分のイチゴをニコちゃんのお皿の上にのせました。
「いま、何かいたよね」
「うわぁーーーーーーーーーん!!」
ニコちゃんはへんじをするように大きなこえでなくと、コトちゃんのイチゴをぱくっとたべました。