もったいないのおばけさん②
「よんだ?」
ニコちゃんのそばから声が聞こえました。声がきこえる方に目をやると、お皿のよこにおいた手のそばに、水たまりができていました。ニコちゃんは水をつつきます。
「いてっ! いててて。なにすんだ!」
水たまりは、ニコちゃんの右手から左手の方にすぅーっとうごいていきます。すると、ニコちゃんはまた、水たまりをつつきました。
「もぉーやめろよ! よんだから来てやったのによぉー」
「だれがよんだのー?」
「だれかしらねーよ! もったいないって言ったろ?」
「もったいないのー?」
「そうさ。 もったいないって名前さ。からだ作るのももったいないって、こんなんだけど、ちゃんと食べられるんだぜ」
もったいないは、そう言ってすぅーっとお皿の中にすべりこみました。すると、ピーマンがのこっていたお皿の中は、またたく間にきれいさっぱりピカピカになりました。