「カミングアウト」と「アウティング」って?
こんにちは🌈
今年もあと残り数日となりましたね‥🥺
今年最後の更新は、ものすごくLGBTQ+の立場にある方々の中でも繊細な問題の一つでもある「カミングアウト」と「アウティング」について考えていきたいと思います✨
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「カミングアウト」ってどういうもの?
カミングアウトというのは「当事者が自身のセクシュアリティを自ら周囲に明かすこと」を指します。(「Coming out of the closet」という言葉の略でもあります✨)
原則として「当事者自らが望んで、知ってほしい人に打ち明ける」ものがカミングアウトです☺
✅カミングアウトの「する、しない」は本人の自由です。
カミングアウトの選択を取る人もいれば、取らない人もいらっしゃいます☺
このカミングアウトというのは、「カミングアウトをする側」だけではなくて「カミングアウトを受ける側」の存在もなくてはなりません。
というのも、カミングアウトの成立には「受ける側の心のキャパシティ」がとても重要になってくるからです。
そして、そこに「カミングアウトの苦悩」が隠されていたりします…😓
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カミングアウトすることへの苦悩
当事者の中にはカミングアウトをする人もいれば、「あえてカミングアウトをしない」という方々ももちろんおられます。(カミングアウトするしないは本人の自由です✨)
これは、先ほどお話した「カミングアウトを受ける側の心のキャパシティ」にも繋がってくるのですが、
自分のセクシュアリティを口外したことで、相手に受け止めてもらうことが叶わず、それまで築き上げてきたいろんな人間関係、恋愛関係、親子関係、社会的立場などが一気に崩れ去ってしまう危険性も孕んでいるという点があるからです。
そういった点から、カミングアウトという方法をあえて取らないという方々もいらっしゃいますし、
そもそもカミングアウトせずに生活できているのでそういった選択をとる理由がないと感じられる方、カミングアウトをすると決めたとしても、この点が常に付き纏っていて、なかなか実行に移せず悩む方々もまたおられます。
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私にとってのカミングアウト(体験談)
私もまた、当事者の一人としてカミングアウトについては悩んだ経験があります💦
私が「パンセクシュアル」だと自覚したのは大学生の頃だったのですが、「バレて嫌われるのがなによりも怖い」と思って母親や友人にも言ってませんでした。
でも、「パンセクシュアルは私の一番中核となる部分だから、知ってほしい」というのが本音でした。
そんな私が一番最初にカミングアウトしたのは「母親」です。
話すまでに何度も頭の中でシュミレーションして、携帯のメモに何て言葉で説明しようか書いたりして…
話す内容がまとまっても、母親の顔を見たら、心の準備が整わなくなって機会を逃してしまったり…
そんなことを何度か繰り返して、ようやく「どんな反応が帰ってきても、縁を切られても、私は受け止めよう」って覚悟ができました。(めっちゃ時間かかりました💦)
実際に話したら、母親はもちろん「パンセクシュアル」だなんて言葉の意味も知らないから、開口一番に「え?なにそれ?」って言われました(笑)そりゃそうだ(笑)
なので、パンセクシュアルの説明をして、更に「私はパンセクシュアルだけど、お母さんがこれまで見てきた私と何も変わらないってことは知ってほしい」と付け加えました。
そしたら「そうなの。分かった。話してくれてありがとう。」と受け止めてくれた。
そして「難しいことはよくわからないけど、いいんじゃないの?あなたがどんな人と付き合っても。ただ、あなたがその人と幸せに生きていってくれたら、それでいい」と話してくれました。
その瞬間に、今まで感じてきた「嫌われるかもしれない」緊張感や恐怖感がドッとなくなって、肩が軽くなった心地がしたんですね。
<私は、この人の側で、もう自分を偽らなくていいんだ…私のままでいいと受け止めてくれる人がやっと一人できたんだ…>と思えたんです。
このカミングアウトの成立のおかげで、この後も「友人」や「主人」…自分が「知ってほしい」と思った人に打ち明けることができました。
でも、カミングアウトというのは成立することが全ての例ではありません。
私のような例は「まだまだ少数」と言ってもいいくらいかもしれません。
世の中には、「あなただから知ってほしい」と望んで打ち明けたが、受け止めてもらえず拒否されたり、
それどころか「アウティング」という形で「当事者本人が望まない状態」で第三者へ情報が開示されてしまうケースも少なくないのです💦
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「アウティング」とは?
アウティングとは「当事者の許可なく、第三者へセクシュアリティなどの個人的な情報を開示して広めてしまうこと」です。
このアウティングによって一番懸念される例を挙げたいと思います💦(左上から矢印に従って読んでください💦)
このイラストのように、本来は「一番信頼していて、知っていてほしいBさん」だけにカミングアウトしたはずなのに
気付けばCさんやDさん…いろんな人に知れ渡っていて
おまけに「気持ち悪い」「もう(友達として)付き合いたくない」といった辛辣な言葉まで言われてしまう結果になってしまい、
当事者であるAさんが傷ついてしまうというケースです💦
このようなアウティングによって最も最悪な結果を招いたケースが「一橋大学アウティング事件」です。(以下、リンク先になります)
「一橋大学アウティング事件」https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E6%A9%8B%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E4%BA%8B%E4%BB%B6
当事者でなくても、「自分の大切な部分だけど、他人にはなかなか打ち明けられない部分」ってきっと誰しも持っているのではないかと思うのです。(例えば、体重や身長も含めた身体的特徴や、自分がコンプレックスに感じている部分など)
そういった部分を「あなたには知っていてほしい」と思って特定の人に伝えたはずなのに
知らない間に自分が打ち明けていない人たちにも広まっていて、しかもそれにまつわる悪口なんて言われたら、ひとたまりもないですよね💦
アウティングは、されたら誰だって嫌な思いをする行為なんです。
では、このようなアウティング行為によって誰かを傷付けることを避けるためにどのようなことができるのでしょう?
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アウティングをしないために
最後に、アウティングをしないために、どんなことができるのか考えてみたいと思います☺
①知識として知ること
「まずは知らないことを知ってみること」が大切だと感じます。
その人のセクシュアリティや「カミングアウトへの苦悩」などを情報として知ることで視野も広がったり、価値観や捉え方も変化するかもしれません。
そうする中で、
②想像力を巡らせること
これも大切になってくると思います。
「こういう話を聞いたけど、誰かに言い触らしたことで、本人の耳に入ったらどう感じるのか」
「個人のプライベートな部分を誰かに広げてしまうのは、もし自分の立場だったら困るよな…」など自分の立場だったらどう思うのか、と想像力を巡らせてみることでアウティングはかなり減らせるのではないかと思います。
そして、
③人として節度ある対応をすること
これが「全て」ではないかなと思います。
「カミングアウトする側」は、きっと相当な覚悟と緊張感、恐怖を持って
数ある選択肢の中から「あなたに打ち明ける」という選択を手に取ったんです。きっと、それは「あなたと今後も変わらぬお付き合いをしていたいと願うから」だと、個人的にそう思うんです。
もちろん、「カミングアウトを受ける側」の心にも相当な重りがのしかかります。混乱も当然することと思います。どう打ち明けられたことに結論をつけたらいいのか、分からなくなると思います。
例え、「私は受け止められる」という答えだったとしても、それは他の誰かに共有するのではなく、自分の中で留めていてほしい。
そして、「私は受け止められない」という結論だったとしても、
それは、身近な誰かに話すのではなく、どうか自分の中で留めるか、それが苦しく感じるなら専門機関に打ち明けてみてほしいのです。
そう、思います✨
【相談専門機関の連絡先リンク】
当事者や当事者でない方も利用いただけるところがちゃんとあります☺✨良かったらご覧ください✨
https://nijiirodiversity.jp/lgbt_telephone/
いつか「カミングアウト」や「アウティング」なんて言葉がなくなるほどに社会の受け止めが寛容になっていって
「こんなことで苦しんだり悩んでいた当事者の人たちがいた時代もあったんだって」なんて笑い話にできるような
そんな時代が訪れることを願って、終わりとさせていただきます🌈
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さて!今年の記事はこれでおしまいとなります✨
ここまで読んでくださった方、いつも読んでいてくださる方、
Twitterでも反応くださる方…本当にありがとうございます。
みなさんあっての「私」でした。
年末年始も、みなさんにとって「あたたかな時」となりますように✨
みなさん、よいお年を!
にじいろmaa🌈
〈引用URL〉
・Wikipedia.「一橋大学アウティング事件」.
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E6%A9%8B%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E4%BA%8B%E4%BB%B6
・認定NPO法人 虹色ダイバーシティ.「LGBT電話相談リスト」.https://nijiirodiversity.jp/lgbt_telephone/