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一番褒められるのってやっぱり声のこと

声をよく褒めていただける。

最近、声を褒められた貯金があまりにも溜まってきたので、そろそろ一番の自分の長所として認めてもいいんじゃないかという気持ちになっている。


自分の声を初めて客観的に聞いたのは、小学校高学年のとき。
友人宅で遊んでいて偶然取れたカセットテープの録音を聞いた。

衝撃を受けた。
あまりにも幼いアニメ声に聞こえたから。

私は自分の声が嫌いだった。


高校生になってカラオケに誘われるようになった。
自分の声が響くのを聞きたくなくて歌わず聞く専門でいた。恥ずかしくて。
そのうち無理やり歌うよう促され、人前で歌えるようになり、自分の声にも少しずつ慣れていった。
それからはカラオケ好きにもなった。

同じころからだんだん、声を褒められる機会が増えた。
歌えば癒されると言われたし、授業中に私がしゃべると目が覚めると言われ、目覚ましの音に設定したいから声を録音させてほしいと言われたりもした。(断った)


その一方で、ぶりっこや印象が幼いと思われやすく、就活指導の先生に「ぶりっこは会社に入ってからしなさい」と言われ傷ついたりもした。

20歳の頃交際した年上の彼氏に「もっと大人っぽくなってほしい」と言われてしまう。

自分を子供っぽく見せる一番の要因はこの声だと思っていたので、その頃の自分にとってはやっぱり変わりたい嫌なところになってしまった。
私に大人っぽさを求めるなんて、この人は私自身のことを全然好きじゃなかったんだなと後になって思った。



社会人になって営業事務の仕事で電話の窓口を担当すると、声で覚えてもらえることが多くなった。
聞き取りやすいとか、電話対応はこまちさんが良いと言われたりもしてだんだん自信を持てるものになっていった。
初めましての人には必ずと言って良いほどポジティブな声の感想をもらった。

今も声を褒めていただけることが多い。
声を仕事にしたらとも言っていただいて。
本当に関わった皆さんのお陰で声の褒められ貯金が溜まったなと感じる。

もういい加減嫌うのは止めて、一番の自分の誇るべきものとして考えてあげようかなと思った。


こまち


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こまち
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