見出し画像

補聴器との出逢い

初めての補聴器

30代後半になって育児も落ち着いて働き始めてから、職場の健康診断で引っかかったのをきっかけに数年振りに耳鼻科を受診する事になりました。聴力検査をすると、平均40dbまで落ちていました。そんなに大した事には思わなかったのですぐ、仕事上多少の不便さを感じていたので、耳鼻科で勧められるまま、初めて補聴器を試してみました。

クリニックには補聴器屋さんが週に1度来ていたので、そのままクリニックで補聴器を試しました。初めての補聴器は勧められるまま耳穴型に。シリコンで耳穴の型を取ってオーダーで作る片耳8万円くらいの補聴器だったと思います。(なんでいきなり耳穴をオーダーで作って試したのか記憶がないですが…補聴器について何も知らなかったので、勧められるがままに)

型取りから1,2週間後、補聴器が出来上がりました。

着けてみると、普段聞いている音とのギャップにびっくり。“カチカチ”“カサカサ”する音が大きくて耳障りに感じてしまったり、耳の中に補聴器が入っていると自分の声がこもる感じや咀嚼音が気になってしまいました。
しばらく着けていましたが、音の違和感に馴染めず、我慢出来ずに合わない無理だと思ってしまったこと、何より耳穴型のこもるの感じがどうしても苦手で、試聴期間は2週間ほどで終わりました。

耳掛け型の補聴器も勧められたのですが、期待してたような効果が得られなかったと感じてしまった事と転居が重なってしまい、こんなに違和感があるなら、まだ無くても聞こえてるからいいかなと補聴器を購入するまでには至りませんでした。

2度目の正直

引っ越してから数年間は接客の仕事をしながら、時々不便さを感じていたものも、どうにかなっていたので補聴器の事は考えず過ごしていました。接客業を辞め、事務職に変えたのをきっかけに、聞こえない不自由さに直面することになりました。

事務補助業務の求人だったはずなのですが、採用されてみると仕事内容は医療クラーク。先生の横に付いて診察中の内容をカルテを書く仕事を割り当てられました。不安はあったものの、どうする事も出来ず先輩に付いての研修が始まりました。


診察に入ると患者さんによっては全く聞き取れない事もありました。研修中は先輩も一緒にいたので聞き取れなくても何とかなりましたが、独り立ちが不安で…
散々悩んだ末に、職場の先輩に難聴の事、聞き取り辛い事があると伝えましたが、声が小さい時は同じように聞き取れない事があるけど慣れれば大丈夫だよ、と聞こえない事を理解してもらう事が出来ませんでした。
(身近にいる家族でも理解出来ないくらい分かりにくいものだから仕方ないんですよね。)

その後は診察中によく使う言葉を覚えたり(知ってる言葉だと聞き分けやすいんです)、診察中はパソコンのキーを叩くとその音で聞き取れない事があるので、メモを取ってから入力するようにしたりと工夫をしながら仕事をしていました。

工夫をしていても聞こえが改善されるはずもなく…
働きはじめて3ヶ月程経った頃に、引っ越してから初めて耳鼻科を受診しました。補聴器装用も考えての受診だったので先生に相談したのですが、そんなに補聴器を勧める感じでもなく、尚且つクリニック指定の補聴器店じゃないと紹介状を書けないと言われて…
書いてもらったもののお店も選べない事への不信感から結局その時は補聴器屋さんに行かずに終わってしまいました。(自分で調べて、比較して決めたいタイプなので)

3度目の正直

聞こえ辛さを抱えたまま更に半年ほど経ちました。(半年もなんとかしてたのが逆にすごい…)
40歳を迎えたのを機に自分らしく生きたいと少しずつ動き始めて、その中で出会ったオンラインサロンに入会しました。

オンラインサロンでは頻繁にzoom上で人と話す機会があったのですが、イヤホンを使っていると相手の声のボリュームを自分で調整出来るので聞き取りやすくて、私にとってすごくいい環境でした。
オンラインでの聞き取りやすさを知ったので、リアルでの聞こえ辛さが余計に感じるようになりました。(仕事でも日常でも)
段々と無理して働いている事にも嫌気がさしてきて、意を決して上司にも伝えよう、補聴器装用も本気で考えようと再度耳鼻科を受診する事を決めました。

以前とは別のクリニックを受診し、聴力検査をしたら半年前と聴力はあまり変わってなかったのですが、オージオグラム(聴力のグラフ)が両耳とも谷型に落ちている事、若くから聴力が落ちてる事から一度大きな病院で診てもらったらどうかと進められました。

勧められるまま大学病院へ


大学病院では聴力検査と診察を受けました。
オージオグラムの形と、難聴の発症年齢から『若年発症型両側性感音難聴』という遺伝性の難病の可能性もあると言われました。
診断には遺伝子検査が必要ですが、遺伝子検査が高額な事、検査を受けて難病が見つかっても医療費補助や補聴器の助成が受けられるわけではなかったので、一旦見送りました。
そして補聴器については、今の聴力では補聴器装用しないと生活に支障があると思うのでと、購入を勧められました。

大学病院では、どこのお店で買っても大丈夫だからと、紹介状を書いてもらえました。(どうして紹介状がいるのかは、また別の機会に書こうと思います。)

ここから本格的に補聴器探しが始まりました。

いいなと思ったら応援しよう!