「友達/人」「恋人」以外の語彙がほしい
クワロマンティックとして過ごし始めて半年と少しが経過して、「友達/人」「恋人」以外の語彙がほしくなってきた。
別の記事で議論したように、友情関係と恋愛関係の間に本質的な違いはないという結論に至って、クワロマンティックとして生活することに強くコミットするようになった。
誰かと話していて、私が特別な関係(知人以上の関係)を築いている人たちのことを説明するとき、どうしても「友達/人」という語彙に頼ってしまう。だがほんとは、私は恋人と友達/人の区別をつけたくないので、すべてを「友達/人」と説明してしまうと、私にとって微妙に合わない。たしかに典型的には「友達/人」と言えるような関係に極めて近い。他方で、「友達/人」と説明してしまうことで、恋人ではないことが含意されてしまうのだが、それは私にとっては不正確だ。
特別な関係の中でも、さらに深くコミットしている関係がいくつかある。うち少なくとも一つは、私側に恋愛感情がある。他人に説明するときには「好きピ」を用いて説明してるのだが、これは私が今、恋愛感情と明確に呼べるものを向けている人が一人しかいないから、「好きピ」によって一人だけを指すことができているに過ぎない(確定記述!)。もし恋愛感情を向ける人が複数になれば、「好きピ」によって一人を指すことができない。かといって「恋人」も使えない、そうラベル付けしていないから。
変な話、なぜ「友達/人」は確定記述にならないのだろうか? たぶん答えは、友達/人は複数いることが自明だからだ。だから「友達/人」と言えば、それは「友達/人」のうちの誰か一人を指している、ということが暗に前提にされる(a friendであって、the friendではない)。他方、「恋人」は確定記述っぽく聞こえる。これもまた恋人は一人だということが暗に前提にされるからだろう。厄介な話である。やはりアマトノーマティビティが悪い。
(ポリアモリーの人で実際に複数の恋愛関係を築いている人は、他人にどうやって説明しているのだろう?、と気になってきた。調べてみたい。)
「重要な他者」「クィアプラトニック」というラベルがすでに使われているのは知っている。だが、文章で書く上では良いのだが、私には使いにくい。まず、「重要な他者」は口頭表現として不自然な感じがする。これは慣れの問題でもあるが、「重要な」「他者」という複数の語を使ってるのも原因に思う。他方、「クイアプラトニック」は関係のラベルであって、個人に対するラベルとして使われてなさそうである(ほんとは使えるかもしれないが)。そして、どっちも文字数が少し長い。
他の語彙はないか、Geminiに聞いてみた。
「特別者」はいいかも、って思えた。「ソウルメイト」も良いかも。
「クワロマンティックであることを加味すると?」と聞くと
と返ってきた。うーん、微妙。
ここ最近は、他人に説明する用のあだ名を使ってみようとしてる。でも、他人に何度も説明するわけではないから、あだ名を共有してもらうまでに慣れが必要だし、相手も忘れてしまうかもしれない。根気強く使っていくしかないかもしれない。