【ifストーリー】僕と関西

ときどき思うことがあります。

「大学卒業後も関西に残っていたら、どうなっていただろう?」

僕は、ここで度々お書きさせていただいていますが、首都圏で生まれ育ち、大学入学と同時に京都に移り住み、4年間、関西地方で暮らしました。
大学卒業後は、東京の大学院の修士課程に進学することになったので首都圏にまた戻ってくることになり、以来、ずっと留まっています。

今でこそ東京で暮らしていますが、僕自身は、大学院進学とともに首都圏に戻ることに対し、期待に胸を膨らませていたかというとそうではありません。

たまたま進学先が東京だっただけであり、

「一旗揚げてやるぞ」

といった気持ちは持ち合わせていませんでした。

当時、僕は映画監督やテレビ局員を目指していました。
大学院もその関連の研究室であり、その界隈で生きていくなら当時は東京以外の選択肢はほぼなかった。
だから、こちらに戻るに至った次第です。

そして実際に僕は今、マスコミ業界の片隅にフリーランスとして身を置いていますが、確実に言えることは、

「マスコミを志望していなければ、関西でずっと暮らしていた」

ということです。

だからこそ、ときどき、自分が京都や大阪に留まっていたらどんな人生を歩むかという「ifストーリー」に思いを馳せてしまうんですよね。

京都市での生活は4年間のみで、しかもあの町は若干排他性が強いとも言われていますが、僕自身は出会った人たちからすごく温かみを感じました。

僕の母校には大阪や兵庫からも沢山人が来ており、東京にも良い人はいっぱいいますが、彼ら関西の人たちからも、それとはまた違った人の良さを感じました。

移住当初は、関東とは会話の質が異なっていて、ボケやツッコミというか、オチを求められたり、シリアスな話題でも必ずどこかにひと笑い挟む感じになっていて、これにすごく戸惑いました。
ただ、慣れるとそれがあったかくてすごく心地よいんですよね。

大阪は、街行く人の雰囲気も良いし、建物とお店の並び具合とかが、東京のように無機質ではなく、いい具合に人情味がある。
だから、なるべく離れたくなかった。

僕は環境適応性が高いのか、4年間しか過ごしていないのに関西にすっかり馴染んだっぽくて、いざ東京に帰ってきたとき、こちら出身なのに最初はかなり違和感を抱きました。

みんな歩くのが速くてぶつかってしまうし、ぶつかったとてお互いに謝ったりもしない。
もとい、気にしていない。

上京してきた人が感じるあの感覚を味わえたのは、個人的には良い経験だと思っています。

マスコミ志望でなければ多分、大阪で就職先を探していたと思いますが、今は東京以外でも活動できるようになってきたので、逆に、この経歴を持って大阪に行くというのもアリかもしれない。

なんて思ったりもします。


読んで頂き誠に有り難う御座います! 虐げられ、孤独に苦しむ皆様が少しでも救われればと思い、物語にその想いを込めております。よければ皆様の媒体でご紹介ください。