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続・子どもたちが、さまざまな「道具」を使いこなせるようになるまで。
シリーズ「パズル教室の現場から」
~No.5~
先週、子どもたちが、ハサミやのり、鉛筆などの「道具」を、「使いこなせる」ようになるまで見守ることが、幼児期~小学校低学年期の認知機能向上のために極めて重要であることについて書きました。今日はその話の続きです。
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鉛筆という「道具」が使いこなせれば、自由に絵や文字が書けるようになります。
ハサミという「道具」が使いこなせれば、自由に紙を切って工作ができるようになります。
それにより、子どもたちの世界が広がります。
小学受験指導の現場にいた時は、書く・塗る・切る・折る・貼る・ちぎる・結ぶ・たたむ……などなど、様々な技能がきちんと1人ひとり身についているか、徹底的に確認することも仕事のうちでした。入試に出るので。
鉛筆やハサミによる技能と同様に、
「脱いだ服をきちんとたためる」とか、
「ちょうちょ結びができる」とか、
「箸を正しい持ち方で持てる」とか、
「ぞうきんを絞れる」とか……
そうした生活巧緻性と呼ばれるものについても、前の記事に書いた通り、家庭要因による技能習得アンバランスは、あちこちで生じます。
「親がやらせたことないから、子どもはやったことない」
「やったことないから、いつまでもできない」
という技能が、幼児期~小学校低学年期の子どもたちには山ほどあるのです。
鉛筆やハサミ以上に、生活巧緻性の分野の技能は、子どもが「やったことないから、いつまでもできない」ことをたくさん抱えています。そのことに、親は気づきにくくてやっかいです。
そもそも、親の方も正しいやり方なんて、知らなかったり(汗)
こんな本もあるので、親子で眺めながらいろいろやってみるといいですよ。
で、こうして生活巧緻性も習得していくと、子どもが自分でできることがどんどん増えて、使いこなせる技能=「道具」が増えます。
ここから先は、鉛筆やハサミといった具体的な「道具」に限らず、「ちょうちょ結びができる」といった、技能部分も「道具」として考えていきます。
そうした「道具」を使いこなせるようになることで、
子どもたちの世界が広がります。
家庭内でどうこうできることは限られるので、外部の力もいろいろ借りつつ、技能習得アンバランスを可能な限り減らしていき、使いこなせる「道具」を増やしていって、子どもの世界を広げてあげることが、親のつとめというものでしょう。
全部を自分が教えなくていいんですよ。むしろ、いかに他の人の力を借りて、子どもがいろんなこと身につけていけるようにするか?どれだけ他の人を巻き込んで子育てできるか?そのあたりが肝です。
うちの娘たちは洗濯物のたたみ方は義実家でお義母さんに教えてもらって習得してきましたよね。私がロクなたたみ方しないから(汗)
次女は、保育園の先生に、着替えやトイレ、お片付けの作法を教わってきたように思います(私は教えた記憶がない)。
で、ここまでの話をまとめると、
①家庭要因による技能習得アンバランスは、あらゆる分野において、嫌でも発生する。
②家庭外の人の力も借りつつ、幅広い技能習得をサポートし、子どもの世界を広げてあげることが、親のつとめ。
って、ことです。
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……………
で、ここからが本題なのですが。
(前置き、長っ!超長っ!)
小学生になると、文字を習いますね。
ひらがなを習い、カタカナを習い、漢字を習い。
言葉の知識を習い、文章の読み方を習い、作文の聞き方を習います。
さらに、数も習いますね。
数字の書き方を習い、たし算を習い、ひき算を習い、かけ算、わり算、文章題、図形の問題、グラフの問題………
もちろん、他の教科の内容も、いろいろ。
で、ここで世の中にありがちな質問を。
なんのために、これらを勉強するんですか?
………この質問に答えられない大人、世の中に山ほどいますよね。
私なりの答えは実にシンプルです。
言語も、計算も、「道具」だから。
「使いこなせる」ことにより、世界が広がるから。
以上。
「道具」なんですよ。
ハサミと同じですよ。
手でちぎったら、紙はうまく切れない。
でも、ハサミを使いこなせたら、思い通りに紙を切ることができる。
計算の仕方を知らなかったら、ただひたすら1つずつ数を数えていくしかない。数えきれないものは処理できない。
でも、計算の仕方を知っていたら、とてつもなく大きな数も扱うことができる。
言語を知らなければ、自分の思いを伝えることも、相手の気持ちを知ることもできない。
しかし、言語を習得することで、話す、聞く、読む、書くことができて、自分の気持ちを伝え、相手の気持ちを知ることができる。
「道具」の使い方を、教わりに行ってるんですよ。
家庭だけではアンバランスが生じることが多いから、学校でバランスよく習える仕組みになってるんですよ。
(不登校・ホームスクールといった形で家庭内でこれらの学習に取り組んでる方々も、学校で習う内容そのものは参考にされているはず。どの内容からどんな順番で習得していくかは、自由度を持たせていると思いますし、そうあるべきだと思いますが)
でも、所詮、「道具」なので。
その「道具」を使って、子どもたちが何をどう表現して未来を切り拓いていくかは、大人が口出しするこっちゃないです。
ただ、「道具」をきちんと「使いこなせる」ようになるまで、サポートする責務は、子どもの周りの大人たちに、かなりズッシリあるように思います。
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さてさて、ようやく「パズル教室の現場」の話になるのですが。
このところ、オンライン講座の内容に、「みんなで力を合わせて計算せよ」というミッションを盛り込んでいます。
1人では、ぜっっっったいにやりたくない類いの計算を、
参加メンバーで分担して、
電卓も駆使して、
1~2年生は1~2年生なりにできることを、
3~5年生はここまで習った四則計算の技能をフル活用して………
で、みんなで力を合わせて謎を解く!!
ということに、取り組んでもらってます。
わりとみんな、楽しそうにやってます。
伝えたい思いは1つ。
「計算」という「道具」を「使いこなせる」ようになると、この世の謎が、解けるのだ!
ということ。
何のために、これ?ということも、よくわからないまま、たし算を習い、ひき算を習い……と進んでいく学校の算数。
そこに、本人なりの、理由を見出だして欲しいのです。
できることが増えると、謎が解けるのだよ、と。
できることが増えると、チームワークの中で、活躍できるのだよ、と。
言語も同じです。謎解きを進めるためには、事前に届いた「手がかりカード」の内容を、正確に音読してみんなに伝えねばなりません。そして仲間の読んでくれた内容を、正確に聞き取って理解し、思考につなげねばなりません。
「言語」という「道具」を「使いこなせる」ようになると、自分の情報を伝え、他の人の情報を受け取ることができるのだ!
何のために、毎日の宿題に音読?
何のために、国語の勉強?
そこにも、子どもたちなりに、意味を見つけて欲しいのです。
うん。
これが言いたかったために、何段階もの前置きが……(汗)
毎度の長文、失礼しました💦
*****
シリーズ「パズル教室の現場から」、現場の話は最後の最後のちょっとだけやん!っていう仕上がりなってしまいましたが……オンライン講座の参加者の方々に、思いが少しでも伝わるといいなぁと思っております。
明日はお待ちかね(?)「月曜日のお掃除日記」第3弾です!しかし!なんか今日やることいっぱいで忙しいので掃除できるか不安!(笑)どうなることやら。まぁがんばります……
本日もご覧いただき、ありがとうございました☆
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