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幼児のお絵描きと小学生の作文。《毎日日記59》
小学生の作文についてあれこれまだまだ考え中なのですが、過去にmixi(懐かしい…)で書いた日記に、「今、私が考えてることそのまんまやん!」っていう文章を見つけたので、コピペしておきます~
当時、小学受験指導の3年目でした。
「お絵かきが上手な子にするにはどうすればいいですか?」
という質問をよくされる。
絵画は小学受験に必須なので、小中学生で言うところの
「算数の文章題ができる子にするにはどうすればいいですか?」
「国語の記述が書ける子にするにはどうすればいいですか?」
ぐらいの頻度で親から聞かれる。
みんな最初はできなくて、家で親が指導するには限界がある。
なので、その指導がちゃんとできると尊敬される。
昨日の年中児の個別授業での話。
最近入塾した4歳の少年は、これまで家でほとんどお絵かきをせず、幼稚園でもほとんど絵を描いてこないというので、お母様は心底心配していた。
実際、半月ほど前の体験授業の際にも、
私がプリントの余白に「何か好きなものの絵を描いてごらん」と言うと、
動物や車などではなく「丸が好きだから丸を描く」と言って丸を描いたので、
確かに心配するお母様の気持ちもわかる気がした。
そんな少年に、お絵かき指導。
授業のはじめに、「大きくなったら、何屋さんになりたい?」と尋ねてみた。
(注・「何になりたい?」と尋ねると、仮面ライダーやらプリキュアやら言い出す子がいるため、あえてこう尋ねる)
すると、しばらくあれこれ考えたのちに、
「ひこうきのうんてんしゅさんになりたい!!」
と、キラキラした表情で言ったので、
今がチャ~ンス!と思い、すかさず画用紙を手渡す。
「じゃ~飛行機を運転してるところを描いてみよう!」
少年は、クーピーを手に取り、巨大なアメーバのようなものを画用紙いっぱいに描いた。
その形はおよそ飛行機には見えないが、指導者として言うべき台詞はただ一つ。
「うわぁ!上手に飛行機が描けたねぇ!」
とにかくどんな作品であれ、ほめる。
「この飛行機は、どっちに向かって進んでいるの? 」
「運転席はどこかなぁ?」
声をかけると、少年は運転席とおぼしき位置に自分の姿を描き始めた。
○を描いて、たて棒一本。
顔と、身体であるらしい。
「前を見ないと運転できないから、目を描かないとあぶないね」
…顔に目・鼻・口が描き足され、身体からもう一本棒が出た。
運転している、腕だ。
「誰を乗せてあげるの?」
「おとうさんとおかあさん!」
また少年の顔が輝いた。
運転している僕の方を向いて、お父さんとお母さんが座っているように見える絵を描いた。
髪が長いのがお母さん。
棒人間だけど、妙に味がある。
「お空を飛んでることがわかるように、飛行機の周りにも何か描いてみよう」
青いクーピーでぐるぐるぐる。雲を描いた。
赤いクーピーでぐりぐりぐり。お日様も描いた。
「将来の夢」の絵が、完成した。
決して上手ではない。
でも間違いなく、「いい絵」が描けた。
授業後に絵を見たお母様は、息子の初の絵画作品に感動し、感激し、涙を流して喜んだ(マジで!)。
「初めてこういう絵らしい絵が描けました!大事に持って帰って、額に入れて飾ります!」
…こんなに喜んでもらえるとは。やりがいMAX。
思うに、お絵かきなんて、気持ちの問題なのだ。
描きたいと思ったときに、描ける条件を揃えてあげれば描けるのだ。
何を描いても認めてもらえる安心感があれば描けるのだ。
決まった描き方を押しつけられたり、評価やダメ出しを恐れたりするようになると、描けなくなる。
私は今でこそお絵かき大好き人間だが、
小2の頃、「図画工作の時間だけ不登校」状態に陥り、図工の時間は毎度保健室に逃避していた。
それぐらい、絵を描くことが嫌だった。
理由はただ一つ、私は人の姿を描くのが苦手で、クラスにはそれをバカにする口の悪い少年少女が溢れていたからだ。
しかしこの図工不登校症候群は、「私は私の好きにすればいい」という悟り(開き直り?)により解消する。
絵がとくにうまくなったわけではないが、絵を描くことが苦痛でなくなった。
ほんと、気持ちの問題なのだ。
気持ちこそが大切なのだ。
お絵かき指導がちゃんとできると尊敬され、感謝される。
でも、「上手な絵」は、子どもたちが勝手に描けるようになっていく。
私の仕事は、ほめることと、認めることと、発想を促す声かけをすること。
世の中、意外とそれをわかってない幼児教育関係者が多いらしく、他塾からの転塾者のなかには、完全にお絵かき恐怖症になっている子もいる。
「お受験絵画」の描き方を押しつけられたためだ。
ふざけるな、と思う。
今、年長児のクラスでは、「紙芝居を作ろう」という取り組みを実践中。
5歳児がオリジナルストーリーを考えて絵を描きまくっている。
みんなむちゃくちゃ楽しそうだ。
そういう経験こそが、大切なのだと思う。
ということで、たぶん、作文も似たようなものかな、と。
作文もたぶん、気持ちの問題。
書きたいと思ったときに、書ける条件を揃えてあげれば、書ける。
何を書いても認めてもらえる安心感があれば、書ける。
決まった書き方を押しつけられたり、評価やダメ出しを恐れたりするようになると、書けなくなる。
結局のところ、表現活動には、「心をほぐす」的なことが重要なのかなぁ、と。
いろいろ考える土曜日の夜です。
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