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[中山七里] 有罪、とAIは告げた

 家で片付けしてる時、ジムでトレッドミルしてる時、車で高速道路を巡行してる時、Audibleで読書するのがちょっとした楽しみになってます。

 当初はそんな隙間時間も、伊藤塾の講義を聴講して少しでも前に進めようかと思っていた時期もあるのですが、小難しい話を聞き流したところで、その内容は頭に全く入らないんですね。教材がよろしくない。

 正直、頭は使いたくないのだが、それでも多少は勉強に役立つ素材を!と探しに探してたどり着いたのが中山七里先生。

 中山先生の著書は、法曹ものが多いんですよね。とはいえ、あくまでミステリー作品です。一生懸命聞いたところで専門知識までは身につくものじゃありません。それでも、感覚のようなものは伝わってくるし、何より、所々に関連する実話が織り交ぜられているのが良いかなと思ったり。

 例えば、今回読了した「有罪、とAIは告げた」には、米国不動産テックZillowの話がでてました。検索してみたら実際のニュースでした!

 このニュース自体は、法律の話ではないですが、議論の中で出てきて物語の結末に絡んでくる。

 AI絡みの話は、なんとなくオチや展開が読めてしまって、今回の話も、ミステリーとしてはミステリー要素が今一つかなとは思ってしまった面もあるにはあるのです。でも、気晴らしの読書を通じて法曹界の感覚(のようなもの)に少しだけ触れられるなら、勉強の合間のモチベ維持にはピッタリ。

 しかし、AI裁判官。

 どうなんでしょうね?仮に過去の判例や法律の条文読み込ませると公平な判決出せるAIが実現できたとして、裁判員裁判クラスに導入はありえないでしょうが、少額訴訟や略式起訴あたりには導入してもよさそうな気もしたりします。

 問題点は、一旦導入してしまうと、現場の仕事があまりにも楽になってしまって、なし崩し的に全面導入。本来、人が判断すべき領域までもが形骸化してしまって実はAIからの判決文をコピペしてました、なんてことになりかねず、責任の所在がうやむやになりかねない所でしょうか。

 そして、既に生成AIによる弊害は表れ始めている…

 今の私たちは、蒸気機関が誕生した産業革命のような文明の過渡期にいるのかもしれませんねぇ。

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