歯医者の一言で、歯磨きの概念が変わった
「歯磨きは掃き掃除」
この言葉で、ボクの歯磨きは変わった。
ホワイトニングしてもらおうと、歩いて5分の歯医者へ行った時。
「歯を白くする前に、いくつか検査しましょう」と言われた。
検査の1つに、歯磨きの磨き残しを調べるものがあった。
その歯医者さんでの磨き残しの平均は20数%(具体的数値は失念)。
言い換えると、およそ8割はちゃんと磨けているということ。
磨き残しが20%以下なら、虫歯になりにくいそうだ。
歯がちゃんと磨けてない
ボクはというと磨き残しが60%。
つまり半分以上の磨き残しがあった(ビックリ!)。
ほとんど磨けてないじゃないか。
いやいや、食後は歯磨きするし、なんなら寝る前は10分以上磨いてたぞ。
生まれてきてからずっと歯を磨いてきて、ちゃんと磨けてないなんてありえん。
回数だけならプロと言えるくらい、歯を磨きまくってきたのだ。
それに検査して虫歯はなかった。
だから、ちゃんと磨けてた証拠じゃないか。
と言いそうになったが、
「磨き残しが多くても唾液の量が多いと、虫歯になりにくい人はいるんですよ」と諭されるように先生に言われ、そのセリフは引っ込めた。
おそらく自分はそういう類の人間かもしれない。
思い当たるふしはあった。
ヨダレなんて子どもが出すものと思っていたが、大人歴30年近くの自分も枕やシーツにしっかりヨダレがついている。
(まめに洗濯しております←ホント)
しかし年を重ねるとヨダレの量が減るらしく、その場合、磨き残しがあると虫歯になりやすいと言われ現実を受け入れた。
もっと歯磨きを上手にならねばと思い直した。
歯ブラシは磨くものではなく掃くもの
この時、歯医者さんに言われたのが冒頭のセリフだ。
こう言われて、僕はピンときた。
歯磨きは言葉のとおり、「歯を磨く」「ピカピカにする」というイメージを持っている人が多いかもしれない。
けど、実際は口の中の汚れを取り除くことが歯磨きの目的だ!(磨けてなかったのにエラそう)。
そのままフローリングで例えてみよう。
そう。
ちりやほこりが溜まり始めたら、僕らは掃除しなければとクイックルワイパーほうきを手にする。
ほうきでちりやほこりを掃き集めて、最後はちりとりにイン。
これでフローリングはキレイになる。
見逃してはいけないのが、フローリングは磨いてないという点。
フローリングをもっとキレイにしたければ、部屋の四隅またはソファーやベッドの下にあるちりやホコリを取り除こうとするはずだ。
つまり、である。
歯磨きも口の中にある食べかすや歯垢を、歯ブラシで掃き掃除して取り除けばいいのだ。
歯の裏側や歯と歯茎の境目は、部屋の四隅やベッドの下だ。
そんな歯ブラシの届きにくい箇所に、しっかり歯ブラシを当ててほこりを取れ除ければ、歯はもっとキレイになる。
口の中のゴミが減るから菌も湧きにくくなる。
結果、虫歯になりにくくなるというわけだ。
変化した手の動き
僕は歯医者の先生のこのたった一言で、歯磨きの概念が変わった。
歯磨きが別物になったとさえ感じた。
歯の表面を磨くのではなく、これまでと違う角度で歯に歯ブラシの毛先を当て、歯垢を取り除こうとした。
奥歯の裏側など歯ブラシを当てにくい部分も、慣れない手つきで毛先を当てることを意識した。
磨こうと力を入れるのではなく、歯についている食べかすを掃くように。
効果は的面だった。
3ヶ月後の定期検診時に磨き残しの検査があったのだが、
60%
↓
20%
へと大幅に改善。
平均並みの数値になった。
そしてさらにその3ヶ月後の検診では、
20%
↓
10%
へと磨き残しが減った。
半分以上の磨き残しがあった状態から、1割の磨き残しになったのだ。
しかも磨き残し10%以下はその歯科医院では数人しかいないとのこと(自慢)。
おかげで磨き残し10%以下の人にしかもらえない、黒色の受診票を手にすることができた(通常は白)。
これでしばらくは虫歯になる可能性は低そう。
ヨダレの量もいまだ多いうえ、歯磨きまで上手になってしまったから菌が増殖するスキがないのである。
繰り返しになるが、何より歯医者の先生の一言で歯磨きの概念が塗り替えられたことが自分にとっては大きかったし、その一言によって実際、歯磨きのやり方そのものが変わった。
結果、磨き残しが劇的に減った。
言い換えるとそのたった一言で、
のだ。
まさに指導のプロである。
スポーツだったら、選手の本領を覚醒させる名コーチだ。
そして。
そんな歯磨き指導のプロのおかげで、今日も好きなものを食べられる。
定期検診も受けていれば今後、年を重ねても歯は安泰である。