電力取引市場での新ビジネスモデル:東京海上ディーアールの挑戦
△概要
東京海上ディーアール(TCR)は、電池にためた電力を市場で取引して収益を上げる新しいサービスを立ち上げました。この新事業は、2022年5月の電力事業法改正により、1万kW以上の蓄電池が「発電所」として扱われるようになったことを受けて実現しました。TCRは、電力卸売市場、需給調整市場、容量市場の3つの市場で取引を行い、早くも複数の顧客を獲得しています。この新事業を率いるのは、外資系コンサルティングファーム出身の目黒文子氏で、彼女のリーダーシップのもと、異業種からの転職組が集まり、グループのデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。TCRの新ビジネスは、顧客が増えるほどデータが蓄積され、機械学習の応用によって取引手法が改善されるという特性を持ち、競争力を高めています。
□新事業の立ち上げ背景
○東京海上ディーアール(TCR)は、電池にためた電力を市場で取引して収益を上げる新しいサービスを立ち上げました。この新事業は、2022年5月の電力事業法改正により、1万kW以上の蓄電池が「発電所」として扱われるようになったことを受けて実現しました。これにより、電力卸売市場、需給調整市場、容量市場の3つの市場で取引が可能となり、TCRは早くも複数の顧客を獲得しています。
□目黒文子氏のリーダーシップ
○この新事業を率いるのは、外資系コンサルティングファーム出身の目黒文子氏です。彼女は、異業種からの転職組を率い、グループのデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。目黒氏は、電力取引のやり方を徹底的に研究し、取引ルールの狭間にある妙案を探し出すことで、事業の成功に貢献しています。
□新事業の収益性と課題
○新事業の収益性は年単位で確保できる見通しが立っていますが、日々の電力取引についてはさらなる工夫が必要です。目黒氏は、電力取引に関する独自の「技」を編み出すために、さまざまな取引パターンを検討し、取引ルールの狭間にある妙案を探し出す努力を続けています。
□広がるビジネスの可能性
○TCRの新ビジネスには、顧客が増えるほど有利になる構図があります。現実の取引データが蓄積されるほど、機械学習の応用によってより良い取引手法が発見され、ビジネスの競争力が高まります。さらに、東京海上グループの顧客資産の運用・管理サービスを提供する企業との連携により、特別目的会社(SPC)が蓄電池を保有し、その運用・管理をTCRが担うビジネスも成立し得ます。
□「やれること」と「やるべきこと」
○目黒氏は、TCRがこれまで「やれること」を起点に新規事業を立ち上げてきたことを誇りに思っていますが、この新事業については「やるべきこと」だったと考えています。TCRの新ビジネスは、既存事業とは全く異なる領域に新たな拠点を築くことに成功し、データビジネスの特性を活かして競争力を高めています。
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