苦しい環境の子供たちに「最高の魚の釣り方」を教える

□概要

日本では、相対的貧困にある子供たちが17人に1人から19人に1人に減少したものの、実際の生活状況は改善されていません。全世帯の所得中央値が423万円であるのに対し、子育て世帯の中央値は210万円です。特に年収600万円以下の子育て世帯の4割が年収100万円以下で、教育にお金をかける余裕がないのが現状です。貧困対策の支援は住民税非課税世帯に限定されており、少しでも所得が増えると支援が受けられなくなるという問題があります。こうした状況の中で、企業や団体が子供たちを支援する動きが増えており、奨学金や学習会場の提供、パソコンの寄付など、さまざまなサポート制度が生まれています。渡辺由美子さんは、苦しい環境にある子供たちに「最高の魚の釣り方」を教え、彼らが自立して生きる力を身につけることを目指しています。

○貧困家庭の子供たちの現状

日本では、相対的貧困にある子供たちの割合が減少しているように見えますが、実際の生活状況は厳しいままです。全世帯の所得中央値が423万円であるのに対し、子育て世帯の中央値は210万円です。特に年収600万円以下の子育て世帯の4割が年収100万円以下で、教育にお金をかける余裕がないのが現状です。こうした家庭の子供たちは、教育を受けて安定した職を得ることが難しく、進学をあきらめるケースも多いのです。

○支援が届かない理由

貧困対策の支援は住民税非課税世帯に限定されており、少しでも所得が増えると支援が受けられなくなるという問題があります。これにより、苦しい家庭や子供たちは、学習支援や食料支援を利用できず、アルバイトをしなければならない状況に追い込まれています。教育にかかる費用が高く、受験料も私立大学で1学部3万5000円程度かかるため、進学をあきらめる子供たちも少なくありません。

○企業や団体の支援活動

一方で、子供たちを支援したいと考える企業や団体が増えており、さまざまなサポート制度が生まれています。奨学金や学習会場の提供、リース後のパソコン寄付、医療職を目指す高校生対象の学習会など、特色ある支援が次々と展開されています。これにより、子供たちが教育を受ける機会が増え、将来の選択肢が広がることが期待されています。

○渡辺由美子さんのビジョン

渡辺由美子さんは、苦しい環境にある子供たちに「最高の魚の釣り方」を教えたいと考えています。大学や専門学校で学び、生きる力を身につけてほしいと願っています。支援を受けた子供たちが、次は自分が支援する側に回ると話してくれることが大きな喜びです。子供たちは未来を背負う人材であり、少子化の今こそ大事に育てたいと考えています。