精神的な体質改善を成功させるための戦略
△概要
1986年に37歳で社長に就任した後藤康雄氏は、バブル経済の中で企業の財テクが流行する中、祖父と父から引き継いだ会社を次世代に繋ぐため、慎重な経営を心がけました。静岡に本拠を置き、堅実経営で知られる静岡銀行の影響を受け、既存事業の強化に注力しました。老朽化した生産ラインの更新や安全対策の強化を進める中で、社内の「議書を上げてもムダ」という意識を変えることが課題でした。缶詰の製造方法を巡る議論を通じて、経営者としての役割を痛感し、会社の目標を大局的に見て指揮することの重要性を学びました。自社生産を維持し、アルミ缶や特殊なパウチの導入など、製品開発に成功しました。人材育成を重視し、未知の可能性を秘めた資源としての人材を育てることに期待を寄せています。
□精神的な体質改善の必要性
○後藤氏は、バブル経済の中で企業の財テクが流行する時代に、祖父と父から引き継いだ会社を次世代に繋ぐため、慎重な経営を心がけました。静岡に本拠を置き、堅実経営で知られる静岡銀行の影響を受け、既存事業の強化に注力しました。老朽化した生産ラインの更新や安全対策の強化を進める中で、社内の「議書を上げてもムダ」という意識を変えることが課題でした。これにより、変化を恐れない精神的な体質改善が求められました。
□缶詰製造方法の見直し
○缶詰の製造方法を巡る議論を通じて、後藤氏は経営者としての役割を痛感しました。食品流通や消費者の嗜好の変化により、作りたての商品を店舗に納入することが求められるようになり、従来の「どんどん作って、余れば在庫しておけばいい」という考え方は通用しなくなりました。社内を説得し、会社の目標を大局的に見て指揮することの重要性を学びました。
□自社生産の維持と製品開発
○円高が進んだ時期には、自社生産をやめて海外製品の輸入・販売に切り替える議論もありましたが、後藤氏は自社で工夫した商品を出すことにこだわりました。これにより、軽くて安全かつ簡単に開けやすいアルミ缶の導入や、中身の酸化を防ぐ特殊なプラスチック製パウチに入れたフルーツの製品化など、製品開発に成功しました。開発の努力が報われたと感じています。
□人材育成の重要性
○資源を持たない日本の企業にとって、人材育成は生命線です。後藤氏は、人材を未知の大きな可能性を秘めた「資源」として捉え、うまく育てることができれば、もっと多くのものを開発できると期待しています。人材育成を重視し、企業の成長に繋げることが重要であると考えています。