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14歳、秋。PSPでHTMLを触る。
14歳になる前日のこと。
私の地元で一番大きなお祭りがあった。
当時ガラケーを持っていた私は、クラスの仲のいい友達たちと一緒にお祭りを楽しんだあと、学校の近くで肝試しのようなことをして遊んで帰った。
家に着いたのは22時半頃。
「何時に帰る?」「早く帰れ」「何してるんだ」という親の連絡に、まともに返信をせず。
帰宅したときには、怒りの沸点を超えた父と母がいた。
14歳を迎えた当日。
私は携帯を解約され、「誕生日おめでとう!」という友達のメールを受け取れないまま、思春期の自分には欠かせなかったツールを失うこととなった。
しかし、そこで諦めない&ツイているのが私である。
幸いにも解約されたのは誕生日。
誕生日・お正月は子どもである自分が一番お金を持っている瞬間である。
私は誕生日のお祝いにもらったお金を、すぐさまPSPに代え、友達とつながる“ツール”を手に入れたのだ。
PSPで友達とつながる?ゲーム対戦でもするの??
と思われる方もいるだろう。
しかし、私はPSPを購入してから一度しかゲームをしておらず、友達兄弟との対戦なども一度も行わなかった。
では、どうやって繋がったかというと、
「PSPをWi-Fiに繋いで、メールやホームページで交流をする」
小学生の頃に作ったyahoo!のアドレスを友達に送り、ひとまず友達との連絡手段を作ったのだ。
Wi-Fiがある環境(主に家)であれば、電波こそ拾いにくかったものの、メールのやりとりで不便さを感じることはなかった。
慣れてからは、 少ないボタンで文字を入力することなんて全く苦に感じなくなっていた。
友達との交流に満足し始めたある日、私は当時友達と運営していたホムペだけでは満足できず、自分個人のホムペを作ることにした。
↑当時流行っていたホムペ、こんな感じ。
友達が訪問してくれたり反応をくれたりするとすごく嬉しくて。サイト運営者向けのページに入り浸って、ホムペの編集をすることが増えた。
例えば、ホーム画面のテンプレをダウンロードした際、デザインに少し納得がいかない部分があると、余白の空け方・タイトルの場所 など、HTMLのコードが書いてあるページを開き、見よう見まねでいじってみたのだ。
ここがこんな感じに書かれていることでこうやって表示されてるから、そのまま真似してみよう→全体の構造が崩れて余計変になる
みたいなトライアンドエラーを繰り返しながら、ホムペの編集をしていた。
しかも、ガラケーやパソコンでなら、この画面も見やすくて、編集しやすいのだが、私はそれらを持ち合わせていないため、PSPで行なっていたのだ。
当時はやりたくてやっていたこと
楽しくてのめり込んでやっていたこと
友達に可愛い!って言われたくてやっていたこと
なんだけど、
24歳になった今、「同じことができるか?」と問うとイエスと答えられる自信がないくらい、マニアックなことをしていたんだな、と気付いた。
ゲームを開発してくださった方々は、ゲームをして欲しくて、頑張って開発してくださったと思うんですが、
全く違う使い道で、存分に使わせていただきました。
でも、それこそが“ツール”なのではないか?とも思うようになった。
石器時代の人が、石を石以外のツールとして使ったように。(そんな例出す?笑)
ツールを、どう使うか。
それをどう使うかは、十人十色であり、そこに個性や趣味嗜好が出るんだな、と10年後の私は思っている。
ありがとう、相棒だったPSP。
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