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フィンランドの水辺
フィンランド人妻と結婚式を挙げるために、フィンランドを訪れず計画を立てた時、一番の懸案事項がどこに泊まるかということだった。
妻はアパート等引き払ってしまっていたし、ホテルを予約する手もあったが、たった5日間ほどの滞在で十数万と高額。
フィンランドな生活がしたいという思いもあり、booking.comというサイトから、良さげな施設を探すことにした。
立地や希望金額などを入力すると、ロヴァニエミの中心街から車で15分くらいの場所にある素敵な家がヒットした。
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老夫婦が観光客用に貸し出しをしている、フィンランド人にとっては普通の家だった。しかし、私にとっては、暖炉、サウナ、そして北欧テイストな家具を間近で見ることが出来る良い機会となった。
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もし、真夏であれば、このバルコニーでビール片手にくつろいでいたこと間違いなし。
この家の庭には、まぁどこまでが庭なのかわからなかったのだが、小鳥用の小さなエサ箱が用意されていた。
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中にはひまわりの種が入っていたが、量が少なかったので、オーナーの了承を得て、近所のスーパーマーケットで1kgほど種を購入して足しておいた。
これでフィンランドの可愛い小鳥たちが食べにやってきたのを見れる!と楽しみにしていたら、お客第一号はなんとリスだった。
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都心近くで暮らしている私にとって、リスを見かける機会は鎌倉か町田のリス園にでも行かない限りそうそうない。最後に野生のリスを見たのは、小学生の時に遠足で訪れた鎌倉だったなぁなんて思いながら、しげしげとリスを観察していた。
鼻をヒクヒクさせたり、エサ箱下の地面に落ちている種の皮を歯で器用に剥いて、モグモグと食べたりする様は可愛らしかった。
最初のうちは。
しばらくこのリスを観察していると、かなり図々しい奴だということがわかった。
エサ箱は本来、鳥用なので他の小動物に食べられないように高めに吊るされている。しかし、このリスは慣れてた手つきで、糸も簡単にエサ箱を登り、ひまわりの種を食べ始めた。
このくらいならまだ、可愛らしいで済んだが、1番見たかった小鳥がやって来た時に、このリスはまだ口の中でモグモグしているのにも関わらず、小鳥を追い払う行動をしたのだ。
まあリスにとっては、便利なエサ場以外の何物でもないエサ箱であり、小鳥に食べてもらいたいという人間の勝手な欲求であることは、重々承知している。それでも少しはディズニー映画であるような、動物たちの戯れを見たかったのだ。
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翌朝、エサ箱のある庭を見ると、何と鹿の群れがひまわりの種を摘んでいた。最初はトナカイかと思って、心踊ったが、よく見ると私の地元でたまに見かけるシカそのものだった。
どうやら、このエサ箱は小鳥よりも、リスやシカに人気らしかった。
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朝食後に少しだけ、家の周りを散歩することにした。家の裏には、大きな長い川が流れていて、長さは500kmもあるのだとか。
フィンランドに行く前に読んだいくつかのブログでは、フィンランドに行ったら、川や湖のほとりでくつろぐのが良いと書かれていた。ただの川や湖を見てくつろぐとは、最初は理解できなかったが、実際に自然に囲まれた川を目の前にしてよくわかった。
家の場所が、市街地から離れたところにあるせいもあったが、水の流れる音すら聞こえないくらい静まり帰った川面を眺めていると、日本での時間に追われる生活が馬鹿らしく思えてきた。
冬の終わりとは言え、早朝や夕方は氷点下になるくらい寒かったので、寒がりな私は長くのんびりは出来なかったが、これが夏なら最高だったことだろう。
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家の周りには白樺の木が生い茂っていて、一層フィンランドを感じることが出来た。