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孤在性繊維性腫瘍3

僕には大好きな両親がいます
母親は長い事乳癌と闘い続け

「私がみんなの悪い分を全部受け止めて逝くから安心しといて!」

と、自分がキツイ状態なはずなのに家族や周囲の知人を励まし笑い続けながら旅立ちました

そんな母親には死んでもその時の事情を伝える勇気も在りませんでした

癌と闘うということは本当に大変な事です
他の方の闘い方はわかりませんが、激しい副作用により動けないほどのダルさに襲われたり、嘔吐感、痛み、脱毛など人により様々です

そして頭の中まで侵食をされた場合は確実に余命を宣告されます

「自分の死」

それをわかっていながら笑って時には人を励まし
支え闘っていた人に後ろ向きな気持ちになるようなことは絶対に言う事は出来ませんでした

俺は嘘をつくのが嫌いだし、つかれるのはもっと嫌いです

子が親に嘘をつく

この行為を自分がされた時どう思うだろうか?

今の俺には絶対にわかりません
これは智識では分かることのできない感情論です

俺は人の親になったことがないし今はもうなることができないかも知れません

だけど嘘をつかれるのが嫌いな俺は自分の大好きな人に嘘をつかれたのだとしたら激しく落胆をすると思います

母親が亡くなってから1年が経とうとする今でも頭をよぎるたびにふと考えます

「自分は本当の事を伝えたほうがよかったのではないか?」

頭では、必要な嘘もある とわかっていても俺が逆だった時は嫌な気持ちになっていたかも知れません

俺が選んだ道は 

俺が好きな人に嘘をつく

でした

今でも後悔と後悔しないが入り混じった複雑な想いですがこれは時間をかけて自分がとき解いてくれると想っています

話がだいぶそれましたがそんな母親が力尽きかけた大事な時に俺は救急車で運ばれてしまいました

情けない話です(笑)

人生てのはなかなか上手いこといかないもんだ

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