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【雑記】 ハワイ島で出会った、ある一本釣りの漁師から学んだこと

こんにちは。

私はアメリカでの大学院生時代に1ヶ月ほどハワイ島でファームステイをしていたことがあります。夏休みを利用してのことです。

その時に、一本釣り漁師兼ダイバーをしていたあるハワイ人に出会った。その人のことをふと思い出したので思い出話がてら書いてみる。

彼が子どもの頃から思い描いていた夢が、意外なところから叶っていく話を聞いていて、夢を描くことと、身近なところから始めること、物事を柔軟に受け入れることの大切さを学んだという話。



一本釣り漁師との出会い

彼と出会ったのは、前述の通り私がハワイ島でファームステイをしていた時のこと。ステイ先のファームのすぐ近くに、ローカル民がよく集う海岸があった。ハワイ島ならではの、黒い溶岩がゴツゴツとあるビーチ(ビーチと言っていいのかな?)で、観光客がほとんど来ない穴場だったので私はファームステイ中のルームメイトと一緒によく夕日を眺めに行っていました。

何度か通っているうちに、近くに住んでるハワイ人コミュニティの人たちがバーベキューパーティーのようなものを開催しているのに遭遇。私たちは観光客っぽくは見えなかったようで、警戒されることなく何故か彼らに受け入れてもらえ、参加させてもらえるようになりました。

(蛇足だけれど、この時にもらったローカルフードがとてもとても美味しくて、またいつか食べたい…と思い出すたびに思う。シーフードたっぷりの漁師めしみたいなものなんだけど、ちょっとフィリピン料理っぽい味付けの煮込み料理とか、炒め物とか…とても美味しかった。)

そこで出会ったのが、今回お話する人です。多分当時で30 代半ばくらいのハワイ人の男性。本当に気の良い人で、外から来た私たちのこともフレンドリーに迎え入れてくれて、気前よく私たちへサポートを申し出てくれたりした。ハワイ滞在中に本当にお世話になった人。

子どもの頃の夢

何度かパーティーにも呼んでいただいて、回を重ねるごとに仲良くなった私たち。当時のハワイ人コミュニティは割と閉鎖的な雰囲気というか、観光客や外から来た人を嫌う人も割といた中で、この人は私たちに対してもものすごくオープンに接してくれたし、本当に損得勘定なく助けを申し出てくれる人で、周りの人たちの中で異彩を放つ人だなと思いました。

ある時、ルームメイトも含めて飲んで数人で歓談していた時に、彼は自分の人生について問わず語りをしてくれた。

子どもの頃の彼は、学校にある地球儀をそこに描かれた眺めて様々な国々に旅することを夢見る少年だったそう。でも彼の地域で生まれ育った環境では、漁師などの地域に根ざした職について、一生ハワイ島の中で生きていき世界には飛び出すことなく一生を終える人が大半だった。彼ももれなくその後漁師になるわけだけど、何故だか自分ノ夢はいつか叶うと信じて疑わなかったそう。

ダイバーとしての仕事で夢が叶う

ハワイといえば、言わずとしれた観光名所。なので、観光客向けのサービス業につく人も結構いる。

その漁師の人は、漁師の傍らダイバーとしても仕事をするようになります。生まれた時から海とともに生きてきたような人なので、ダイビングはお手のもの。なので、それを活かして地元で需要がある観光業でダイビングを仕事にした訳です。自分に出来ることで、仕事にも繋がることを探した結果がダイバーだったと。するとメキメキと頭角を現し、観光向けのダイビングはもちろんのこと、ダイバー界では一目を置かれるほどの技術を身につけるにいたります。

最終的に、「世界中でこれが出来る人は数人しかいない」というダイビングのスキルを身につけた彼。だんだんと世界中のダイバー界で注目を浴びるようになって、最終的には世界中からお声がかかり、講習などに呼ばれるようになったそうです。

彼からしてみたら、自分が生まれ育った環境の中で、自分が好きなこと、やりたいことに集中をしていただけ。

生き方は多種多様

彼の仕事はダイバーの他には、一本釣りの漁師。これは、槍を使って一突きで大きな魚を捕る方法らしいのだけど、これで大物を仕留めると、それだけでハワイ島では数ヶ月(時にはそれ以上)生活出来るだけの収入となるそう。

ハワイ島では、私がいた当時(※もはや10年くらい前)から既にエコな暮らしを普通に送れる環境が整っていました。電気はソーラー発電、トイレなどの水は貯めた雨水をろ過したもの、庭にはオーガニックファームがあり、シンプルな生活であれば半分自給自足で生活できる。

なので、この漁師の彼は普段はハワイ島で質素な生活を送り、呼ばれた時には世界各国へと飛び、キャッシュが必要になれば漁に出る…という生活を送っていました。それのおかげか、時間的にも精神的も余裕を感じられる人でした。

周りに与えること

ハワイに行く少し前から、私が好きだなと思っていた言葉がある。それが

Think globally, act locally 

というもの。アメリカではこの考えのもと、ローカルの野菜を産直で買えるファーマーズマーケットとか宅配のサービスとかが各地域である。ワタシが住んでいた地域でもそういうサービスやマーケットが充実していたので、私もよくローカルのオーガニック野菜を買って食べていました。野菜だけでなく、地元の人が作ったハンドメイド品を売るイベントなんかもよくあって、私はそういうところで石けんを買うのが好きでした。(※アメリカでは石けん作りを趣味にする人が結構多い)

このハワイの漁師の彼も、そのモットーを体現するような人ですごいなと感じた。それだけでなく、彼は本当に自分の欲のようなものよりも周りの人に与える事を生きがいとするような人でした。ダイバーの仕事だって、自分が当たり前に出来ることの中から地域や社会に貢献できることは何かなと考えた結果のものだったようだし。

それに、どこの誰かもわからなような私たちに対して、必要だったらいつでもタダで車を貸すから言ってね!と言ってきたりもした。(それも、「鍵、持って行きな〜いつまででも借りてて良いよ〜」というレベルで気前よく申し出てくる) 

自分が稼いだお金は周りの人たちに還元していきたいからと、ちょっと頑張れば自分で出来ることをあえて地元の若者たちに頼んでお金を払い、ちょっとした雇用を生み出したりもしていた。

良くも悪くも全く我欲というものを感じさせない人だった。見た目は漁師町に住む普通の漁師の人、という感じなんだけど、なんだか少し崇高な人だなと感じたのはそういう部分のせいだったのかもしれない。

自由な発想で全てを受け入れること

当時の私はというと、大学院という小さな小さなコミュニティの中で、「将来はこれしか出来ない」と自ら自分の可能性を無意識に狭めていた時期でした。狭い世界にいると、それしか見えなくなるというか、与えられた選択肢の中からえらばなければという気持ちになってしまう。

そんな中で、自分の想像もしない世界で自由に生きている人に出会った事で、可能性というのは自分が想定するものだけに限らないんだなという事を思い知りました。

また、はじまりは決してだいそれたことでなくても良くて、自分のすぐ身の回りに当たり前に転がっているものなんだなということも学んだ。世の中の偉人は最初から特別な存在だったんだって思いがちだけど、本当は全然そんなことはなくて、多分本人は本人の出来る場所から出来る範囲で何かしらの行動をして、それを続けていく中で現れたチャンスをきちんと掴み取って来た人なんたろうなと思う。

大事な事は、大きな夢を見つつも、出来る部分は身近なところからコツコツと積み上げていくこと。そして、自分だけのためではなく、周りの人や社会のためになる事を…と考えていると自然と道はひらけてくるのかもしれないなということ。

未来の私が、「今思えば、あの時の些細なあれか全ての始まりだったな」と思うような出来事がもしかしたら今すぐ目の前にあるのかもしれない。そう思うと、一瞬一瞬の些細な出来事が急に大切な事におもえてくるから不思議です。

そういう考え方をおしえてくれてありがとう、一期一会の尊さを改めて感じた出会いでした。

おわり。


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